イーロン・マスクが「xAI」の人材募集イベントで見せたOpenAIへの敵対心
イーロン・マスクは先日、サンフランシスコで開催された小規模な関係者向けのイベントで、丸いコーヒーテーブルの上に立って、人工知能(AI)関連のエンジニアや研究者たちに語りかけた。 このイベントは、マスクが設立したAI企業のxAI(エックスエーアイ)の従業員を募集するために開かれたもので、同社がいかに「スピード」を大事にしているかを力説したマスクは、その事業を米空軍の超音速偵察機に例え、「SR-71ブラックバードは、一度も撃墜されたことがなく、唯一の戦略は加速することだった」と語った。 このイベントが開かれたのは、最近までOpenAIが本社を置いていたミッション地区にある築122年のビルだった。マスクによればxAIのオフィスは、先日このビルに移転したばかりだという。 マスクがOpenAIのサム・アルトマンをライバル視していることは、広く知られている。彼は、2015年にアルトマンと共に同社を設立したが、3年後に内部の権力闘争が原因で退社した。それ以降、マスクはOpenAIを2回訴えており、アルトマンが「人類に利益をもたらす人工知能を構築するというミッションを放棄した」と非難している。 「マスクは、本当にOpenAIの対極に立ちたいと思っている。彼らは、OpenAIが悪者で、自分たちがヒーローなんだと主張している」と、このイベントに参加したマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生で起業家のマーヴィン・フォン・ハーゲンは、フォーブスの取材に語った。 会場を埋めた約150人は、ほぼ全員が男性で、マスクは約1時間半の間、講演を行い、質問を受け付けた。話の中でマスクはOpenAIを信頼していないと語り、OpenAIのAIが「閉鎖的で利益の最大化しか考えていない」と語ったとある参加者は証言した。 ■OpenAIに対する敵対心 マスクのこの発言とxAIが新オフィスに選んだロケーションは、OpenAIに対する敵対心を示している。マスクは、OpenAIが開発者向けカンファレンスのDev Dayを開催した当日に、このイベントを開催しており、そのことも単なる偶然ではなさそうだ。