イーロン・マスクが「xAI」の人材募集イベントで見せたOpenAIへの敵対心
「オープンソース化」の野望
xAIは、イベントの前日に新オフィスからOpenAIの家具を撤去したが、少なくとも1つの残骸がまだ残っていた模様だ。参加者によると、OpenAI社長のグレッグ・ブロックマンの写真の切り抜きが、ある部屋の天井からぶら下がっていたという。フォン・ハーゲンは、このイベントに約10人の現職のOpenAI社員が参加しているのを見たと証言した。このイベントの詳細については、ニュースサイトのThe Vergeも報じていた。 xAIとOpenAIの間には大きな隔たりがある。アルトマンは、生成AIブームの顔役になり、ChatGPTは誰もが知るブランドになった。一方、昨年7月に設立されたxAIは、主にマスクが所有するX(旧ツイッター)の有料サブスクリプション機能のGrok AIモデルの開発元として知られている。 OpenAIは先日、1570億ドル(約23兆円)の評価額で66億ドル(約9800億円)の資金を調達した。一方でマスクも資金調達に手を抜いておらず、xAIは5月に発表したシリーズBラウンドでアンドリーセン・ホロウィッツやセコイア・キャピタルなどの投資家から240億ドル(約3兆5570億円)の評価額で60億ドル(約8890億円)を調達していた。 ■「オープンソース化」の野望 マスクは、この日のイベントのQ&Aセッションの中で、xAIがモデルのリリース後の約9カ月で、そのモデルをオープンソース化する予定だと語った。一方、スペースXを使って火星に行く計画については、「最良のケースで2028年、現実的なケースで2030年」と繰り返したと参加者は語った。 このイベントは、オタク的要素が散りばめられたパーティーの雰囲気だったと参加者は述べている。オフィスの1階は、クラブのように薄暗く、リアルタイムでコードされている音楽を流すDJがいたという。セキュリティは厳重で、参加者は金属探知機で服やカバンをチェックされた。 それでも、一部の参加者は、世界一の富豪であるマスクのすぐそばに接近できたことに驚いたと述べている。「私は、彼からほんの2メートル足らずの距離にいました」と、スタンフォード大学の学生のアンドリュー・ガオはフォーブスに語った。「触れることはできなかったけれど、ハイタッチならできたかもしれません」 イベントの翌日にフォン・ハーゲンは、OpenAIのカンファレンスと、xAIのイベントの違いについての感想をXに投稿した。彼は、OpenAIの集まりはアップルのイベントのように洗練されていたと指摘し、xAIのイベントは、そうではなかったと述べた。 マスクはその投稿にリプライし、「OpenAIも最初から洗練されていたわけではない」と語った。
Richard Nieva