巨人・長野久義が試合を決める3点三塁打 〝夏男〟がいよいよ本領発揮 5月の月間打率・545
(セ・リーグ、中日1―4巨人、9回戦、巨人5勝4敗、8日、バンテリンD)巨人・長野久義外野手(39)が1―0の八回に3点三塁打を放ち、4―1の勝利へと導いた。5月の月間打率を・545(11打数6安打)とし、〝夏男〟と呼ばれるベテランが早くもその兆しを見せ始めた。チームは2連勝で首位阪神に0・5ゲーム差と肉薄。10日の状況次第で首位に立つ。 【写真】長野久義の囲み取材に〝潜入〟する巨人・坂本勇人 会心の一打が、一足早い夏の訪れを感じさせた。1―0の八回2死満塁、今季6度目のスタメンに名を連ねた長野が外角高めの直球を捉えた。打球はダイビングキャッチを試みた中堅手の右を抜け、39歳のベテランは三塁に到達した。 「みんながつないでくれたので、かえせてよかった。僕のヒットより泉口の(プロ初)ヒットの方がみんなうれしい。苦労して打ったのは一生の思い出になると思う」 チーム最年長でありながら常に周囲を立てる。走者一掃の3点三塁打を放った自身の打撃よりも、2軍降格を経験してはい上がってきたルーキーのプロ初安打への祝福を口にするあたりに、長野らしさがにじみ出た。 気温の上昇とともに快音が響く。広島に在籍した一昨年までの4シーズンで放った174安打のうち、7割を超える129安打を7月以降に記録した。夏の兆しが見え始める頃を意味する二十四節気の「立夏」は、今年は5月5日。長野の調子も上昇し始め、5月の月間打率は・545(11打数6安打)。代打で3試合連続安打を放つなど、勝負強い打撃でチームを支えている。 阿部監督は、かつて現役時代にともにプレーした長野の一打に「あれで勝てたと思う。困ったときのベテラン」と目を細めた。2連勝で今カードの勝ち越しに成功し、首位阪神に0・5ゲーム差に肉薄した。ここまでチーム打率・228(リーグ5位)と攻撃面で苦しんできたが、頼もしいベテランのバットが打線に厚みをもたらす。(原田優介)