イスラエルを挑発するヒズボラ特殊部隊「ラドワン部隊」の黒幕はイラン
イラン工作機関のバックアップを受けるレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの兵士たち(mohammad kassir/shutterstock)
7月30日、ハマスのトップであるイスマイル・ハニヤ政治局長が訪問先のイランの首都テヘランで殺害された。イスラエルの工作機関「モサド」の破壊工作部門「カエサリア」による暗殺であろう。ハニヤは2023年10月のガザ周辺でのハマスのテロにももちろん責任があり、モサドの暗殺対象になっていたものと思われる。 イスラエルによるハマス幹部の暗殺工作は初めてではない。たとえば2024年1月2日にも、レバノンの首都ベイルート南部のヒズボラ拠点に潜伏していた サレフ・アロウリ 政治局次長が、イスラエル軍の無人機により殺害されている。アロウリはイラン工作機関およびヒズボラと、ハマス軍事部門を繋ぐキーマンだった。 こうした標的を選んでの暗殺対象は、ハマス幹部だけではない。レバノンではヒズボラ幹部が次々と標的になっている。このイランでのハニヤ暗殺の数時間前にも、やはりベイルート南部のヒズボラ拠点にいた南部方面最高軍事司令官のフアド・シュクルが空爆で殺害されている。シュクルはヒズボラ草創期からの古参の軍事部門幹部で、現在はヒズボラのトップであるハッサン・ナスララ書記長の軍事顧問を務める。これまで殺害されたヒズボラ軍事司令官では最高位の大物だ。
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黒井文太郎