重度障害者の木村英子氏、れいわ新選組から参院選出馬(全文1)政治に参加して戦っていこう
障害者の介護保障運動をしなければ生きていけない
私は地域に出て健常者の人と同じように、ただ普通の女性として当たり前に生きていきたかっただけなのに、地域に出たとたん、障害者の介護保障運動をしなければ生きていけないことを思い知りました。地域で生きていく以上、死ぬまで運動していくことが今の私の現実です。私は日頃、障害者の仲間たちと運動をしています。その状況を少しお話しします。 2003年に措置から契約制度に変わってから、ヘルパー派遣についても行政は責任を放棄し、民間に投げてしまいました。さらに、障害福祉制度と介護保険を統合しようとしている国の動きの中で、地域で暮らしている障害者の生活は壊されようとしています。 障害福祉で必要な介護時間を保障してもらっていた1人暮らしの障害者が、65歳になった途端に介護保険に組み込まれ、介護時間を減らされて外出もできなくなり、お風呂にも入れなくなりました。自分でベッドに移動できないのでずっと座椅子の上で寝るしかなく、褥瘡ができたり、ヘルパーが1日1時間しか来ないので、食事も1回しか食べられない、そんな状況の人がいます。 全国的に人手不足ですが、介護職という重労働で安い賃金のところにはさらに人は集まらず、せっかく命懸けで施設を飛び出し自立生活をしても、介護事業所から、人手がないという理由でお盆や暮れはショートステイで施設に入れられてしまうといった始末です。そんな厳しい現状の人がどんどん増えています。 障害者は65歳になった途端、障害者ではなくなり高齢者の枠に入り、今まで受けてきた介護制度を減らされて命を脅かされています。障害者は1人1人障害が違います。介護の方法もまったく違います。65歳になるまで自分に合った必要な介護を受けてきた人が、65歳になった途端に減らされ、命の危険にさらされている生活を強いられています。行政は地域移行を掲げていますが、障害者の生活を壊し、施設に逆戻りさせてしまう、そんな政策は明らかな人権侵害であり、あからさまな差別です。