大みそか、家族で囲むすき焼き 石川・輪島の仮設住宅
能登半島地震の被災地では大みそかの31日、被災者らがそれぞれの年越しを迎えた。 石川県輪島市町野町の仮設住宅では午後7時ごろ、会社員の高野雅史さん(46)の家族がすき焼きを囲んでいた。高野さんと、妻で市職員の律子さん(44)は、3人の子供が「おいしい」と言いながら平らげる姿に目を細めた。 【写真】石川・輪島で被災者に肌着を配布する綾瀬はるかさん 1年前の地震で自宅が全壊。3月に仮設住宅に入居するまでの間、仕事の都合や子供の体調面への懸念から、避難所や親族宅で離れ離れの生活を余儀なくされた。 地震の後、別の場所に引っ越す同級生が相次いだといい、長女で小学5年の叶衣(かなえ)さん(11)は「離れている友達に会って一緒に遊びたい」と新しい年に期待。次女で保育園に通う莉緒(りお)さん(6)は「冬休みは漢字を勉強する」と話し、来年4月の小学校入学を心待ちにしている。 高野さんは「復興が進み、地元を離れた人も気兼ねなく戻って来られるように、ふるさとを守っていきたい」と言葉に力を込め、律子さんは「何とか元気に年を越せそう」とほほ笑んだ。(吉田智香)