（ブルームバーグ）： スイスの高級腕時計メーカーの間で、需要低迷を乗り切るため政府に金融面の支援を求める動きがある。

ジラール・ペルゴとユリス・ナルダンは雇用維持と恒久的な人員削減を回避するため政府制度を利用することを確認した最初のブランドとなった。両社を傘下に持つソーウインド・グループのパトリック・プルニエ会長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）によれば、従業員320人の15％に当たる約50人を、いわゆる短時間勤務または一時帰休とした。

プルニエ氏は先週のインタビューで「今のところ小規模なウオッチ危機だ」とした上で、「今年は試練だ」と語った。

これは腕時計サプライヤーの同様の動きに続くものだ。メーカーからの受注減少に伴う業界不振を乗り切ろうとサプライヤーは政府支援の活用を選んだ。

この制度では、製品需要減少に対応して企業がシフトや労働時間を減らした場合、スイス政府が労働者給料の最大８割相当を支給する。ウオッチ生産など製造業が恒久的な人員削減を余儀なくされる状況を回避する狙いがある。

スイスの腕時計メーカーは、消費者が高価なウオッチを買い求めたコロナ禍後に前例のない好景気を経験したが、その後、中国を中心とする急激な需要の落ち込みに苦しんでいる。卸売りウオッチの輸出額は３年連続で過去最高を記録した後、今年１－７月は2.4％減少した。

原題：Luxury Downturn Leads Some Swiss Watchmakers to Seek State Aid（抜粋）

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