【マイルCS】ロングスパート戦は最も末脚が生きる舞台 京大競馬研の本命はソウルラッシュ
地力の高い差し馬が順当に好走しやすい条件
11月17日(日)にマイルCS(GⅠ)が行われる。昨年は藤岡康太騎手とタッグを組んだナミュールが4角15番手から豪快に差し切ってGⅠ初制覇を達成した。 【マイルチャンピオンシップ2024 推奨馬】持ちタイムNo.1! 勝率33.3%&複勝率66.7%データ該当 (SPAIA) 今年は連覇を狙うナミュールをはじめ、復帰戦の府中牝馬Sを快勝したブレイディヴェーグ、GⅠ初戴冠を狙う日本マイル界屈指の実力馬ソウルラッシュ、GⅠ・3勝の欧州マイル最強馬チャリンなど多くの実力馬が集結。秋のマイル王決定戦にふさわしい、混戦模様の難解な一戦となった。 以下では、本レースが行われる京都芝1600m(外回り)のコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まずは京都芝1600mのコース形態をみる。向正面の2コーナーポケットからスタートし、初角までの距離は約700m。向正面半ばから緩やかな上り坂があり、3コーナーで頂上を迎え、そこから4コーナーにかけて一気に下る。最後の直線はBコース使用時399mで平坦となっている。これが今回のコースレイアウトだ。 まず注目すべきは初角までの距離が約700mとかなり長いこと。序盤の隊列は定まりづらく、先手争いが長引きやすい。さらに3コーナーから4コーナーにかけては下り坂となるため、ここでもペースは落ちにくい。スタートからゴールまで全体として淀みないラップが続く、タフなコース形態である。 マイルCSは例年、内前有利になりやすいCコース替わり1週目に施行されるレースでありながら、内前が特段有利になるわけではない。 その理由はまず序盤、中盤で淀みないラップを刻むため、先行負荷がそれなりに大きい点にある。加えて、軽い芝のおかげで後続も脚を使わずに追走してくるため、速いペースの割に馬群が凝縮する。先行勢が十分なリードを築けない状態で最終直線を向かえることが多い。 先行勢が粘り込むには、3~4角でリードを保つための早仕掛けから持続力勝負に持ち込むしかない。しかしそれまでの先行負荷もあり、持続力勝負を得意としていない馬や、地力のない馬は直線半ばでいっぱいになる。 したがって、道中は中団~後方を追走し、速い上がりを使うことができる地力の高い差し馬が順当に好走しやすい。それがこのコースが持つレースの質だ。 <マイルCS 4角6番手以内馬の成績(京都開催の直近10回)> 【4-6-4-57】勝率5.6%、連対率14.1%、複勝率19.7%、単勝回収率43%、複勝回収率59% この傾向は数字にも表れている。京都開催のマイルCSにおける4角6番手以内馬の成績は上記に示した通り優秀とは言えない。馬券内30頭中14頭を占めてはいるものの、そのほとんどが上位人気の実力馬であり、地力がなく速い上がりを使うことができない先行馬の残り目は皆無に近い。 まして今年はロングラン開催の影響でBコース3週目の施行。内前有利になりやすいCコース替わり1週目でも上記に示した通りの傾向だ。今年は差し有利なレースの質がより強まると考える。順当に各馬の地力を比較したうえで、展開とオッズ妙味を加味して印を打つ。