サウジアラビア:首相就任で権力基盤を固めるムハンマド皇太子
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メディアから「事実上の指導者」と呼ばれるようになって久しいサウジアラビアの ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子 が、9月27日に父親のサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王が発出した勅令によって首相に就任した。国際的にはジャマル・カショギ氏殺害事件への関与疑惑が尾を引いているムハンマド皇太子だが、国内での権力基盤固めはサウジアラビアの歴史を紐解いても過去に比類ない程の盤石さで進められている。 サウジアラビアでは1960年代より国王が首相を兼務することが慣例化していた。時の第二代国王であったサウード(1953-64)と、当時皇太子兼首相だった後の第三代国王ファイサル(1964-75)との間の政治対立が深刻化し、サウード王家内が二分する事態に発展した反省から、ファイサル国王以降は国王が首相を兼務して行政権を国王の下に掌握させる体制がとられるようになった。1992年に成立した統治基本法(事実上の憲法に相当)においても、「国王は閣僚評議会の長(=首相)となる」と規定され、法制度化している。
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