「マルハラ」を認めると組織が破綻する3つの理由 若い世代に合わせるべきタイミングの見極め方
「優しく接していたら、成長できないと不安を持たれる」 「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」 ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代には、どのようなマネジメントが必要なのか。このたび、経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏が、部下を成長させつつ、良好な関係を保つ「ちょうどよいマネジメント」を解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』を出版した。
本記事では、職場におけるテキストコミュニケーションにおいて、最近注目を集めている「マルハラ」という言葉の危険性を書籍の内容に沿って解説する。 ■「マルハラ」はモラルハザードの始まり 新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません』が発売たちまち増刷となった。とくに多くのマネジャーから寄せられる声は、 「若者とのコミュニケーションのとり方がとても参考になった」 である。現代のコミュニケーションはリアルとオンラインのハイブリッドが主流でそれぞれに良さがある。面と向かって話すどころか、電話嫌いの若者が増えている現状で、どう「テキストコミュニケーション」に慣れていくのか。多くの組織マネジャーの課題であろう。
新刊では、リアルとオンラインをどのようなバランスで使い分けて、若者とコミュニケーションをとるのかを詳しく解説している。ぜひ参考にしてもらいたい。 ……ところがである。昨今、職場におけるテキストコミュニケーションにおいて、とある言葉が注目を集めている。それが「マルハラ(マルハラスメント)」である。「マルハラ」とは、LINE等のチャットで、句点「。」を語尾につけると威圧感を与えてしまうことを意味する。
私は「マルハラ」を認めると、モラルハザードを引き起こすリスクがある、と考えている。その理由は3つある。 (1)常識的な視点 (2)ルール的な視点 (3)現実的な視点 一つずつ解説していこう。 ■そもそも「ハラスメント」とは言えない この記事を読んでいる読者の皆さんは、「マルハラ」についてどのようにお考えだろうか? 正直なところ、私はこのような主張が出てくること自体に危機感を覚える。パワハラやセクハラは、とても深刻なハラスメントである。多くの人がこのようなハラスメントで悩み、傷つき、好きな職場を後にせざるをえなかった人が過去に数えきれないほど存在する。