高校無償化ギリギリ対象外で不公平感…今やるべき対策とは?
【2.高校でかかる費用を調べて今から準備する】 高校無償化制度では年間39万6,000円(上限)の授業料が支援されますが、これは私立高校の平均的な授業料が約40万円であるためです。しかし、授業料は学校によって差があります。 たとえば、東京都の私立高校の場合、授業料が年間約130万円の学校もあれば、年間約35万円の高校もあり、その差はなんと約100万円。支援額を超える授業料は自己負担です。 このほか、入学金や施設費、制服代や修学旅行代なども必要です。まずは3年間でかかる費用を学校のホームページなどで調べてみましょう。情報収集してある程度の金額がわかれば、今からできる限り準備したいものです。 もし、まだ目指す学校が決まっていないなら、高校3年間の教育費の目安を参考に、準備する金額を考えるとよいでしょう。
このように、高校3年間で公立では約154万円、私立では約316万円の教育費がかかります。はじめから全額準備するのは難しいかもしれませんが、金額の半分を準備し、残りの半分はその時の収入でやりくりするなど、計画的に積み立ててみてはいかがでしょうか。 お子さまが小学生の場合は、高校生になるまで時間があります。高校無償化対象になるかどうかは、現時点ではわからないですし、制度が現行のまま続くとも限りません。堅実に積み立てることが、一番確実といえそうです。
「公立高校のほうが学費が安いから公立へ」という考えもありますが、大学受験対策に力を入れている私立高校などに入学すると、塾に通う必要がなくなるかもしれません。結果的に公立高校に行って塾に通うより、教育費が安くなるということもあるでしょう。 何を優先すべきかポイントを絞り、大学用に準備していたお金が減ってしまうことのないよう、今の貯蓄状況や収入を考慮して資金計画を立てましょう。
まとめ & 実践 TIPS
高校無償化対象外の家庭は、児童手当も支給額が引き下げられているケースもあり、必ずしも家計に余裕があるわけではないでしょう。とはいえ、子どもが望む進路の希望はかなえてあげたいもの。そのためには、やはり計画性を持った資金管理が必要です。今からできることを始めて、子どもの進路選択を応援しましょう。 【参考資料】 私立高等学校授業料の実質無償化に係る所得判定基準(令和2年7月分以降) 文部科学省「高校生等への修学支援に関する参考資料 平成29年5月」 令和5年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況 文部科学省「結果の概要-令和3年度子供の学習費調査」
プロフィール 海田幹子 2級ファイナンシャルプランニング技能士 教育・育児、マネー等について執筆。現在、小学生2人の子育てに奮闘中。