高校無償化ギリギリ対象外で不公平感…今やるべき対策とは?
各都道府県独自の取り組みもチェックしよう
さて、今までお伝えしてきた内容は国の制度ですが、各都道府県でも独自の支援が広がってきています。 国の支援対象外だとしても、都道府県の制度次第では対象になる可能性もあるため、まずはお住まいの都道府県の支援事業を調べてみてください。たとえば、大阪府では令和6年度から国公私立問わず所得制限なしで高校授業料無償化が段階的に開始。令和8年度には完全無償化となる予定です。
計画的に始めよう! 高校教育費の対策2選
国でもお住まいの都道府県でも高校無償化の支援対象外となるご家庭もあるでしょう。しかも、ギリギリ対象外だと「少しの差しかないのに……」と不公平感を抱くかたもいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、高校教育費の対策を2つご紹介します。 【1.所得制限対策を行う】 高校無償化対象の主な判定基準となるのは「課税標準額(住民税の計算において基礎となる金額)」です。難しい言葉ですが、「課税標準額」は収入から必要経費や所得控除を差し引いた後の金額を表します。 課税標準額 = 収入 ― 必要経費 ― 所得控除 課税標準額が一定金額以下なら、高校無償化対象となります。つまり、高校無償化対象のギリギリ対象外のご家庭は、課税標準額が減れば支援対象となる可能性が出てくるのです。 課税標準額を減らすためには…… (1)収入を減らす (2)必要経費や所得控除を増やす の2択があります。会社員の場合、収入は簡単に減らせないため、「必要経費や所得控除を増やす」が候補として残ります。 その場合、必要経費に対する概算控除として「給与所得控除額」があるため、必要経費を増やせる人は多くありません。一方、所得控除は増やせる可能性があります。 課税標準額を減らすために利用しやすい所得控除はこちらです。
小規模企業共済等掛金控除になるiDeCoは老後のための資産形成制度で、毎月老後のために積み立てをすると、その積み立て金額を全額所得控除として差し引くことができます。積み立てられる金額には上限があるので、大きな効果は期待できないものの、ギリギリ対象外なら対象内に入る可能性はあります。 ちなみに、筆者の家庭ではiDeCoを月々2万3,000円掛けており、年間27万6,000円(2万3,000円×12か月)所得控除が適用されています。 なお、無償化対象の判定は、前年、前々年の所得に基づいて行われます。すぐに対策の結果が出るものではないので、計画的に行いましょう。