キジムナーみたいな妖怪に「最近会ってないね」というおばあちゃんがいて…日本と海外の“裏”取材を語る【丸山ゴンザレス×八木澤高明対談】
丸山:九州だったら、僕は鹿児島最南端の与論島ですね。ここで、キジムナーの源流の妖怪の話を島のおばあちゃんに聞いてみたんです。すると「最近会ってないね」と答えるんですよ。おばあちゃんだけでなく、何人か同じような話をしてくれました。僕はこの島にはキジムナーが存在するんだなと思いました。島に流れる時間や空気感は壊したくないですよね。 八木澤:キジムナーじゃないけど、2009年に僕は中国に野人を探しに行きました。中国・湖北省、3000メートル級の山がある神農架というところです。現地の人に話を聞くと、キジムナーと同じ反応で「野人ね。最近見てないけど、道路を横切ったり、家の近くまで来るのよ」と言ってましたね。彼らの中には野人はいるんですね。僕たちの価値観や日常からは見えない世界はたくさんあります。この本でもそんな世界に触れてほしいですね。 【プロフィール】 ◎八木澤高明(やぎさわ・たかあき) 1972年、神奈川県横浜市生まれ。ノンフィクション作家。写真週刊誌カメラマンを経てフリーランスとして執筆活動に入る。世間が目を向けない人間を対象に国内はもとより世界各地を取材し、『マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅』で第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。著書に『黄金町マリア』(亜紀書房)『花電車芸人』『娼婦たちは見た』(角川新書)『日本殺人巡礼』『青線』(集英社文庫)『裏横浜 グレーな世界とその痕跡』(ちくま新書)などがある。 ◎丸山ゴンザレス(まるやま・ごんざれす) 1977年、宮城県生まれ。ジャーナリストであり編集者。國學院大學学術資料センター共同研究員。無職、日雇い労働、出版社勤務を経て独立。危険地帯や裏社会を主に取材しており、現在はテレビ、YouTubeでも活躍中。著書に『アジア「罰当たり」旅行』(彩図社)『世界の混沌を歩く ダークツーリスト』(講談社)『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社)『世界ヤバすぎ! 危険地帯の歩き方』『タバコの煙、旅の記憶』(産業編集センター)などがある。 [文]辰巳出版 協力:辰巳出版 辰巳出版 Book Bang編集部 新潮社
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