最早難民が避難する所はない イスラエル軍がラファに到達
ガザ、パレスチナ自治区、5月30日 (AP) ― イスラエル軍部隊がパレスチナ自治区ガザのラファ地区中心部に到達する中、ガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマスの最後の拠点とされるラファから、数十万人のパレスチナ人が続々と避難を始めている。 イスラエル軍は5月29日、エジプトとの国境沿いの戦略的回廊を掌握したと発表した。 ラファには、ガザの他地区での戦闘を逃れた数十万人のパレスチナ人が避難してきているが、過去3週間、イスラエル軍のラファ侵攻に合わせて、100万人近くがラファから避難した。 ハマス撲滅を目指したイスラエルの戦争は、開戦以来8カ月になろうとしている。イスラエルはガザ地区全体を荒廃させ、国連がいうところの飢饉に近い状況を引き起こしている。この間ガザに住んでいたパレスチナ人住民が避難を余儀なくされたのは、一度や二度ではない。 国連や他の支援機関に届く食料や燃料などの支援物資が減った結果、状況はますます悪化している。 戦争前から人道援助に頼ってきたパレスチナ人住民のほとんどが、生きるために必要な物資を自分で探さなければならないのが、ガザの今の状況だ。 ガザ地区の検問所を管理するイスラエル当局が、民間のトラックによる救援物資の搬入を増やしていると国連と援助関係者は言う。 その結果、果物や野菜が市場で売られており、値段が下がっている物もあるが、住むところもない難民にとっては所詮高嶺の花だ。 (日本語翻訳・編集 アフロ)