パウエルFRB議長、「より高くより長く」路線維持へ-今週のマクロ
(ブルームバーグ): パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定後に記者会見する。米当局が利下げに踏み切るまでの期間を見極めるため、議長の発言に注目が集まる。
同議長は前回発言した際には、インフレ低下にまだ進展がないこと、労働市場の力強さが持続していることを指摘し、高金利を従来の予想よりも長く維持する可能性が高いことを示唆した。
最新のデータはコアインフレの根強さを浮き彫りにし、5月3日発表の雇用統計が労働市場の堅調を示すとの予想と相まって、議長が態度を変えることはなさそうだ。
パウエル議長の決意揺らぐ恐れも、物価統計は高金利の長期化説を補強
FOMC会合では借り入れコストが20年余りで最高の水準に据え置かれるとの見方が強い。利下げ開始時期の予想は後ずれし、投資家は2024年に最大でも2回の利下げしか見込んでいない。
今週を締めくくるのは4月の雇用統計で、米労働市場の現状があらためて確認されることになる。エコノミストは、非農業部門雇用者数の伸びは緩やかになるものの依然として力強いペースを維持し、失業率は横ばいと予想している。
今週は1-3月(第1四半期)の雇用コスト指数や3月の求人件数、4月のISM製造業景況指数も発表される。
ユーロ圏では、4月のインフレ率が前月から横ばいとなり、ディスインフレが今年初めて失速したことを示すと見込まれる。消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇の見込み。
変動の激しい項目を除いたコアインフレ率は引き続き低下し、当局に安心感を与えるかもしれない。
30日にはCPIとともに域内総生産(GDP)が発表される。エコノミストは、23年後半の成長は低迷したが今年第1四半期は0.1%程度のプラス成長を回復したと予想されている。
インフレと成長の数字は域内各国間でのばらつきがあるかもしれないが、全体的にはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が今月示した、経済は弱く、インフレ目標達成までの「道筋は平坦ではない」という見解と一致すると言えそうだ。