フィギュアスケート ルールはどう変わるべきか?
その中で中庭さんが問題提起するのは、女子の加重係数の見直しだ。技術点と演技構成点の差を埋めるため、現状のルールでは、フリーの演技構成点は、男子で2倍、女子で1.6倍になるのだが、その数値の男女差に中庭さんは疑問を抱いている。 「フリーの演技構成点にかけられる加重係数(技術点との差をなくために点数を係数によって増やす)の男女差を、もう少し見直してもらいたいですね。加重係数を女子では1.8倍くらい上げてもいいのでは。数値についての再検討の余地があるのではないでしょうか」 元全日本4位フィギュアスケートに関する著書もある今川知子さんは、「前回のルール改正(2012年)の年に、『FS(フリースケーティング)で5種類か6種類のトリプルジャンプを飛んだ選手にはボーナス点が与えられるというルールができるかも』という噂が出ました。結局、このルールは適用されなかったわけですが、今後このルールの適用を再検討してもいいのではないでしょうか。特に女子の選手にとって、全種類に近い3回転ジャンプを飛ぶことは難しいことです。浅田真央選手が成功したトリプルアクセルを飛ぶのは至難の業ですから」と改正案を主張する。 今回のソチ五輪のフリーで浅田真央は、6種類、8つのトリプルジャンプを全て着氷して見せた(そのうち2つは軽度の回転不足の判定)。この「8トリプル」は、ギネス記録だとも言われているが、上位10人のプログラムを見直しても、FSで、6種類を飛んだのは浅田選手のみ。優勝したソトニコワ、3位のコストナー、4位のゴールド、5位のリプニツカヤ、7位のワグナー、10位のメイテの6人は5種類だった(不正エッジ踏み切りの判定、軽度の回転不足判定の選手も含む)。 それならば、もっと採点に反映されてもおかしくない。ただ、問題なのは、女子では、3回転ジャンプを5種類以上入れることは難しいが、男子では、さほど難しくないということ。