漢方の取り入れ方実践編/漢方薬の入手方法は?【40代・50代、漢方の知識、基本のき②前編】
Q3 漢方薬を処方してもらう場合、薬局の薬剤師さんでも問題ない?
A 問題ない 「医療用医薬品の中には、注射薬や向精神薬などのように医師の処方箋がなければ販売することができないものもありますが、漢方薬に関しては、薬剤師でも一般用医薬品の漢方薬と同様に処方することができます。ただし、保険はきかず、自費(薬剤費10割負担+処方手数料)になります」
Q4 その人に合う漢方薬は、どんな診断をして決まるの?
A 「四診(ししん)」を行って、その人の体の状態を診断 「漢方の診察法は、“四診”と呼ばれています。四診とは、望診(ぼうしん)、聞診(ぶんしん)、問診、切診(せっしん)の4つの診察からなります。 まず、望診とは、文字通り目で見て情報を得ること。体つきや顔色、肌の色ツヤ、むくみの有無など、患者さんを目で見ることで得られる情報です。診察室に入ってきた患者さんの歩き方などや、舌の状態を観察する“舌診”も望診に含まれます。 聞診は、耳で聞こえた情報と、鼻で嗅いだ情報です。声だけでなく、呼吸音や歩くときに発する音、話す際の雑音など、その人が発するさまざまな音をチェックします。鼻で嗅いで得られる情報は、口臭や汗の匂い、特定の病気によって発せられる匂いなどです。 そして、問診は、口から得られた情報のこと。質問をして得られる情報です。家族歴、既往歴や薬剤アレルギーなど、治療に必要な情報を確認します。 また、切診は、肌に触れて得られる情報です。脈をとったり、お腹に触れたり、手足に触ったりと、直接患者さんの肌に触れて得られる情報です。 この四診で集めた情報から、患者さんの体の状態を診断します。四診は、観察力やコミュニケーションスキルによって情報量が大きく変わるので、医師の知識や経験が重要になります」
Q5 お医者さんに処方してもらう漢方薬と、市販の漢方薬の違いとは?
A 含まれている生薬の割合や濃度が異なる 「医者が処方する漢方薬も、市販の漢方薬も、厚生労働省の基準を遵守したものです。サプリメントや健康食品と違い、しっかり管理されている薬品なので、どちらも安全で安心して服用することができます。 ただ、同じ製薬会社の同じ名前の漢方薬でも、医者が処方するものと市販のものでは、含まれる生薬の割合や濃度が違います。市販の漢方薬は、副作用によるトラブルが起こる危険性を考慮して、医者が処方する漢方薬より濃度が低くなっています。 ですから、より高い効果を期待するなら医者に処方してもらう漢方薬を、とりあえず気軽に試してみたいなら市販薬から始めるというように、選び分けるとよいと思います」