レバノン大統領にアウン軍司令官 2年間の空席を経て
【AFP=時事】レバノン議会は9日、軍司令官のジョセフ・アウン氏(61)を大統領に選出した。レバノンは2年以上にわたる大統領不在の状態を脱し、戦争で荒廃した国を財政破綻から立て直すための一歩を踏み出す。 【写真】ジョセフ・アウン新大統領の就任を祝う人々 米国および地域大国サウジアラビアの支持を受ける候補とみなされていたアウン氏は選出後の演説で、親イランのシーア派武装組織ヒズボラとイスラエルによる停戦を受け、武器の保持は「国家が独占する」と宣言。「外交、経済、軍事の各レベルで包括的な防衛戦略の議論を提唱することを誓う。それは、レバノン国家がイスラエルの占領を排除し、その侵略を抑止できるようにするためだ」と述べた。 また、新首相を指名するための議会をできる限り早く招集すると述べた。 レバノンでは2022年10月以来、議会内でヒズボラ支持派と反ヒズボラ派が合意に至らず、これまで12回にわたって大統領選出が頓挫していた。 ヒズボラは11月に停戦合意に至ったイスラエルとの戦闘で、最高指導者ハッサン・ナスララ師が殺害されるなど大きな打撃を受けた。 ジョー・バイデン米大統領は、アウン氏はイスラエルとヒズボラの停戦を監督する上で「重要なリーダーシップ」を発揮できる「適切な指導者」だと述べ、就任を歓迎した。 国連安全保障理事会は、レバノンが直面する課題に対処するために「十分に機能する国家機関」の必要性を強調。報道官によると、アントニオ・グテレス事務総長は「新政府の迅速な樹立」を呼び掛けた。【翻訳編集】 AFPBB News