視界はゼロ...霧が立ち込めるなか「自力着陸」に挑むパイロットの視界を捉えた映像が「怖すぎる」と話題に
飛行機には自動着陸システムも搭載されているが、まだまだ人間の方が「洗練度」は高く、天候不良時にはむしろ「自力着陸」が主流だ
視界不良で「自力着陸」を強いられた航空機のコックピットの映像が、TikTokに投稿されて注目を集めている。 【動画】視界はゼロ...霧が立ち込めるなか「自力着陸」に挑むパイロットの視界を捉えた映像が「怖すぎる」と話題に 撮影したのはパイロットの@subject_0_。本名や勤務先の社名は明かしていない。動画は昨年12月30日に投稿されて以来、19万8000回再生されている。撮影にはカメラ内蔵のサングラスを使ったので、「完全ハンズフリーで安全」だったと同パイロットは本誌に語った。 動画はエアバスA320型機を使用した民間便の機内で、数日前に撮影された。同機は霧が立ち込める視界不良の中で、スイスのチューリッヒ空港に接近。 動画に添えられた「CAT3に突入」というコメントについて、「CAT3は着陸の種類のことで、視界不良による自動着陸を意味する」とパイロットは解説する。 雲の上を飛行していた同機は、やがて霧に覆われて完全に視界が遮られた。「(自動着陸の)リスクは、低視界アプローチでは航空機が自力で着陸しなければならないので、システムを注意深く監視しなければならないことにある」とパイロットは言う。 国際継続教育訓練協会(International Accreditors for Continuing Education and Training, IACET)認定の航空訓練機関、パイロット・インスティテュート(Pilot Institute)によると、霧や霞、低い雲、暴風雪、もや、砂嵐などによる視界不良の場合、乗員は「操縦士が自動操縦モードに操縦を委ねる」自動着陸を選択する。 同インスティテュートはアメリカ連邦航空局(FAA)の安全チーム業界会員でもある。 「計器着陸装置(ILS)を備えた滑走路であれば、自動操縦で『型通りの』着陸ができる」という。 動画を投稿したパイロットは、「手動着陸に比べて(自動着陸は)横風の制限など天候上の制限が厳しく、許容される機体の不備も制限される」と説明。 「着陸の過程で何らかの不具合が発生すれば、すぐに分析してアプローチを継続するか中止するか判断しなければならない。つまりこの手順の方が難易度が高い」と言い添えた。