【菅野とオリオールズの契約解説】単年20億円は妥当な投資金額 補強として大きな収穫
菅野の単年契約1300万ドル(約20億円)は妥当な金額と言える。今オフ、故障で3試合登板の37歳カッブはタイガースと1500万ドル、今季8勝の37歳ギブソンはカージナルスと1300万ドルで、いずれも1年契約を結んだ。過去に実績があるベテランの先発投手の相場。仮にこの投資が失敗に終わったとしても、この金額ならば長期的な影響を及ぼすことはない。 19年から再建に入ったオ軍はドラフトで獲得した若手野手が成長し、2年連続でポストシーズン進出。だが投手力不足で、そこから勝ち進めない。優秀な若手がFAで流出してしまう前に勝ちたい。そのための補強ポイントが先発。FAのバーンズは、ヤンキースと契約した左腕フリードの8年総額2億1800万ドル(約335億円)以上をターゲットにしていると言われるが、今年球団を買収したデービッド・ルーベンスタイン新オーナーは引き留めに全力を注ぐ。バーンズ資金を残しておくためにも、菅野を1300万ドルで獲得できたのは大きい。 巨人の先輩、上原浩治は34歳の時に同じオ軍でメジャーデビュー。その後移籍したレッドソックスを含め、強豪ひしめくア・リーグ東地区で6年以上も投げ続けた。当時、上原は「オレンジとブラックのチームカラーも巨人と似ている」と話し、居心地が良さそうだった。菅野も上原のような活躍をすれば、1年後には複数年契約のチャンスも見えてくる。(奥田秀樹通信員)