決勝13位で終えた中上貴晶選手 ウエットでもリアのグリップに苦しむ【MotoGP第18戦タイGP】
フィーリングに苦しみつつ、ウエット路面で完走
2024年シーズンを最後にMotoGPクラスにフル参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手(イデミツ・ホンダLCR)は、第18戦タイGPの目標を「トップ10」に置いていました。最近の課題のひとつが予選順位、つまりグリッド順だったからです。徐々に向上してきたレースペースを生かすためにも、最低でも10番手あたりからスタートしたい、中上選手はそう考えていました。つまり、Q2にダイレクト進出となる初日午後のプラクティスでトップ10に入ることが、最初の目標でした。 【画像】2024年シーズンのMotoGPクラスに臨む中上選手を見る(6枚)
しかしプラクティスでは15番手。10番手でQ2へのダイレクト進出を果たした、チームメイトのヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)とは0.314秒差でした。ただ「全体的にいいセッションで進められています」と、中上選手は前向きでした。 18番手からスタートした土曜日のスプリントレースでは、状況が変わります。 「レース序盤からフロントタイヤやフロントブレーキのフィーリングが全く違っていたんです。かなりフィーリングが悪かった。時間をかけてデータを比較するなどしてもらっているのですが、今のところまだ(原因は)よくわかっていません。グリップも全くない状況でした」
さらに、日曜日は雨が降り、MotoGPクラスの決勝レースはウエットコンディションで行なわれました。中上選手を含む全ライダーがレインタイヤのミディアムを選択しています。 金曜日、土曜日ともにドライコンディションで、ウエットコンディションになったのは日曜日だけでした。こうした状況と路面コンディションもあったのでしょう、レースでは転倒が相次ぎ、10名ものライダーがコンディションに足をすくわれました。 中上選手はそんな中、13位で完走を果たしています。ただ、喜べる内容ではなかったようです。 「スタートして数周で、フィーリング的にもポジション的にも、今回は厳しいなと思っていました。とくにスタート直後からレース序盤は、リアタイヤのグリップ感がなく、タイヤの温度やリアの接地感を得るのに時間がかかりました。これが致命的でしたね」