得意のクエイルホローで勝ったマキロイ、2014年に優勝したヴァルハラでの全米プロゴルフ選手権に挑む
ノースカロライナ州クエイルホロークラブで開催されたウェルズファーゴチャンピオンシップは、最終日1打差の2位でスタートしたローリー・マキロイが、バーディー、バーディー、イーグルを2回繰り返し、トップでスタートしたザンダー・シャウフェレを逆転。米ツアー26勝目を飾りました。 【動画】マキロイがバックナインでぶっちぎり!好相性のコースでツアー通算26勝目【ウェルズファーゴチャンピオンシップ4日目】 一騎打ちとなった2人の熱い戦いを、ゴルフネットワークで解説を務めたPGAティーチングプロの内藤雄士さんに振り返ってもらいました。また、16日(木)に開幕する海外男子メジャー「全米プロゴルフ選手権」の展望も語ってもらいました。 ■6ホールで8打へこます猛チャージ!ターニングポイントはちょっと意外なプレー 見応えのある4日間でした。最終日、3日目が終わった時点でトップに立っていたザンダー・シャウフェレが7番でイーグルを奪い、おっていたローリー・マキロイが前半落ち着かなかったので、シャウフェレがこのまま優勝するのかなと思っていたのですが、中盤からマキロイが猛チャージ。マキロイがクエイルホローを得意としていることは分かっていましたが、その素晴らしいチャージには驚きました。 8~10番をバーディー、バーディー、イーグル、さらに13~15番でもバーディー、バーディー、イーグル。マキロイがこの6ホールで8打縮めたのに対し、シャウフェレは12、13、16番でボギー。最終的には圧倒的な差がついてしまいました。どこで流れが変わったのか。意外だったのは、マキロイ自身が試合後のインタビューで、「7番のパー5でいいパーパットが打てたのが大きかった」と語っていたことです。 このホール、シャウフェレはイーグルで、マキロイは、イーグルはおろかバーディーも取れず。見ている方は、「さらに引き離されてしまった」という印象だったのですが、実際は彼の言葉通り、このパーをきっかけに怒濤のバーディー&イーグル奪取が始まりました。 マキロイの言葉を聞いて思い出したのが、ある選手のコーチをやっていて優勝したときに「どのあたりで優勝を確信した?」と聞くと、「入れごろ外しごろのパットが入ったときに、行けるかもと思った」というような返事が返ってきたことがありました。そういう点からいうと、見ている方のターニングポイントと、選手が感じるポイントとはズレていることが多く、数字には表れない“良いプレー”というのがあることを思い出しました。 ■5月16日開幕!海外男子メジャー「全米プロゴルフ選手権」展望 さて、今週はいよいよ「全米プロゴルフ選手権」が行われます。今年の開催コースは、ケンタッキー州のヴァルハラゴルフクラブ。ヴァルハラといえば、前回行われたのは2014年で、頂点に立ったのはマキロイ。10年間いいゴルフを続け、常に世界のトッププレイヤーとして活躍しているマキロイですが、その一方でヴァルハラで勝ってからの10年間、メジャー優勝がありません。 今回、そのヴァルハラに戻るということで、マキロイ自身も「クエイルホローで勢いをつけて、ヴァルハラで勝つ」という目標を立てていたはず。まずは第一関門を突破。今は、「ここで勝たなかったらいつ勝つんだ」くらいの気持ちでいるかもしれません。 「ウェルズファーゴ」を見ている限り、マキロイが優勝争いに絡んでくることは間違いないと思いますが、やはり気になるのはスコッティ・シェフラー。お子さんも無事に生まれ晴れて出場が決まり、優勝候補の筆頭に躍り出ることは確実です。今のシェフラーの強さは、一時のタイガー・ウッズを彷彿とさせますからね。ただ「ウェルズファーゴ」でのマキロイの強さが「全米プロ」でも出たとしたら・・・考えただけでもワクワクします。 日本人選手に関しては松山英樹選手を始め、4人が出場予定。まずは松山選手。直接聞いたわけではないのですが、「ウェルズファーゴ」の欠場は、トレーニング中に、背中に張りを感じたのが原因らしく、大事を取ってのものだとか。なので、それほど心配しなくてもいいのかなと。今年は「ザ・ジェネシスインビテーショナル」で勝っているし、「全米プロ」に関しても、2017年にあと一歩で優勝に手が届くところまでいっているので、本人も気合いを入れてくるはず。大いに期待したいと思います。 また、久常涼、中島啓太、金谷拓実の3人にも注目です。ここ数年、日本選手のレベルが上がっていて、その中でも特に若手の活躍が目覚ましく、その若手をリードしているのがこの3人。日本人のレベルの高さを彼らが証明してくれるのではないかと楽しみにしています。