障害のある子どもに廊下でも授業、特別支援学校の生徒急増で教室不足 態勢強化が必要…でも「隔離」に国連や専門家は懸念
▽「いろんな同級生と関わることで社会問題を自分ごととして考えられる」 当事者の1人として、先天性の脳性まひで手足や発話に障害がある川端舞さん(31)は、群馬県内の普通学校に通った経験からこう訴える。「障害者の私が普通学校に通うのは権利で、安心して過ごせるようにするのは学校の責任ではないか」。小中学校ではいじめを受けた経験があるが、高校時代は教員が積極的に話を聞いてくれたことで周囲の生徒と交流が深まり、友人ができた。 中にはトランスジェンダー男性として生きる友人もおり、LGBTQ(性的少数者)の問題にも関心が生まれたという。「どんな違いがあっても、いろんな同級生と関わることで社会問題を自分ごととして考えられる。インクルーシブ教育にはそんな力があるはずだ」と話す。 小国教授は川端さんの思いをこう後押しする。「日本では『障害者教育』に矮小化されているが、インクルーシブ教育とは本来『全ての差異の包摂』を目指すものだ。普通教育の中で、障害の有無だけでなく、人種や性的マイノリティーなどの多様性を保ち、ひとりひとりが尊重することが重要だ」