2075年の日本は「世界12位」に~ 小林鷹之が記す外交立て直し戦略
重視すべき国や地域を政府内部で共有せよ
そもそも「GS」と一言で表現しているが、国によって文化・歴史的背景、政治・経済の状況、価値観など、置かれている状況は様々である。 また当然、各国は自国の国益を追求して行動するわけだが、比較的多くのGSに共通する傾向として、①歴史的な経緯、新型コロナウイルス蔓延時の対応、イデオロギーの「押しつけ」などにより、欧米先進国に対する不信・不満を抱えている、②一部の国による持続可能性を軽視した支援について「債務の罠」に関する懸念が広がってきている、③GS諸国内での連帯を重視する、といった点にも留意が必要である。 したがって、一律的なアプローチではなく、それぞれの国に応じたテーラーメイドなアプローチと互いの国益に適う関係づくりが必要だ。 わが国の外交・政策上のリソースには自ずと限りがあることに鑑みれば、複眼的な視点、つまり①わが国の国益、②相手国の状況(国家戦略、課題およびニーズ、政治状況、資源や技術力などの経済的能力、地政学的重要性、市場規模・成長性、わが国との文化・歴史的つながり、他国との関係)、③同志国との役割分担などを精査し、とくに重視すべき国や地域を政府内部で共有し、戦略的に対応することが求められる。
小林鷹之(衆議院議員)