「右足ならボレーします」細谷真大が結果を出せば、ライバルFWの競争心に火。バチバチしたムードも強いチームには必要だ
競争意識を持って点を取り合う状況になれば
細谷が目に見える結果を出せば、浅野拓磨(ボーフム)や上田綺世(フェイエノールト)ら他のFW陣も闘争心に火がつくに違いない。そういったバチバチしたムードも強いチームには必要なのだ。 「1人の選手が点を取るというよりも、みんなで取れるチームのほうが間違いなく強い。オプションは多ければ多いほどいいと思うので、僕もその1人になれるようにしたい」と浅野も目をギラつかせていたが、FW陣が高度な競争意識を持って点を取り合う状況になれば、チームにとって理想的なシナリオだ。 過去のアジアカップを振り返っても、前回の2019年UAE大会では大迫勇也(神戸)という大黒柱が初戦のトルクメニスタン戦で負傷。そこから準決勝のイラン戦まで欠場を強いられたが、その間に起用された北川航也(清水)や武藤嘉紀(神戸)らが結果を出せず、チームとしては得点力不足に苦しんだ。 逆に優勝した2000年レバノン大会、2004年中国大会などを見ると、前者では高原直泰、西澤明訓らがゴールを量産。分厚い前線を形成した。後者でも代表経験の少なかった玉田圭司が急成長。日本を窮地から救う役割を果たしている。 そして前述の通り、2011年はスーパーサブだった李が重要局面で劇的ゴールを挙げ、日本をタイトルへと導いた。 このように1人のエースに頼らず、複数の得点源を作ることは、最大7試合を戦うビッグトーナメントを勝ち切るために重要なポイント。日本のFWが揃って得点ランキング上位を争うような状況を作れれば、今回の日本は苦しむことなく頂点に立てるのではないか。 「フォワードは点を取る職業なんで、ゴールキーパーがシュートを止めるのと同じだと思っている。フォワードが点を取ったらもちろん盛り上がるし、必要なこと。そこは常に意識してやっていきたい」と上田も語気を強めていた。 前田大然(セルティック)は今回、サイドアタッカーとしての起用がメインになりそうだ。つまり、細谷、浅野、上田が1トップとして、しのぎを削ることになる。大会終了時点で誰がゴール数という部分で抜け出しているのか。それが2026年北中米ワールドカップの主軸FWの行方を大きく左右することになるとも見られるだけに、その動向を注視すべきである。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
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