「レースアンバサダーになる時からグランプリを獲ると決めていた」新人グランプリ夏実晴香の半年前からの挑戦
今年から『日本レースクイーン大賞』から『レースアンバサダーアワード』に名称を変更し行われるファン投票で人気No.1を決めるレースアンバサダーの賞レース。今年も6、7月に今シーズン初めてスーパーGTに登場した“ルーキー”レースアンバサダーの人気No.1を決める「にしたんクリニック レースアンバサダーアワード2024ルーキーディヴィジョン」が実施された。 【写真】新人グランプリ受賞の夏実晴香さん 2024年は36名の新人レースアンバサダーがエントリーし、ルーキーディヴィジョンのグランプリに輝いたのはENEOS GIRLSの夏実晴香さんだった。 ■絶対に新人賞を獲る!と決めて挑んだ半年間 “元気いっぱい”という言葉が似合うようなパワフルさを感じさせる夏実さん。今回のルーキーディヴィジョンには“並々ならぬ”という言葉では到底補いきれないくらいの強い信念と決意を持って臨んでいた。 1カ月半にわたる投票を終え、見事グランプリに輝いた夏美さん。グランプリ発表の瞬間は、とにかく驚いたという様子が印象的だったが、スピーチでは持ち前の元気の良さを全開し、応援してくれたファンに感謝の気持ちを伝えていた。 「正直、(表彰式直後の)今も実感が湧いているような、湧いていないような……。でも、トロフィーを3つ(グランプリトロフィー、ルーキー賞トロフィー、特別賞メディバンネップリ賞トロフィー)抱えて写真撮影をしていた時に、喜びがすごく湧いてきました」と、感慨深い表情を見せる。 ファイナルステージが始まる前に行われた生配信のPR放送でも「ルーキーディヴィジョン(新人賞)を獲得する」と高々に宣言し、この賞レースで結果を残すことを重要視してきた夏実さん。 “新人グランプリ”獲得への始動は、今季レースアンバサダーになるためのオーディションを受けていた、その瞬間からだった。 「私は性格的に“1回決めたことは絶対やり遂げたい”というタイプなんです。事務所に入ったときから新人賞を取ることをとても意識していて『(新人賞を)獲りたいです!』とずっと言ってきました」 「その自分の言葉を嘘にするのだけがすごく嫌で……。それを叶えるために頑張ってきました」 「『1回決めたら絶対やり遂げる!』というのがもう私なんです(苦笑)。でも、それを曲げるわけには絶対いかなかった。『もう何が何でも!』という気持ちでした」 「何というか……、『仕事だから』ではなく『夢だから』というのが大きかったと思います」 とにかくルーキーディヴィジョンで結果を残すことにこだわっていた夏実さん。そこにはレースアンバサダーへの“憧れ”や“夢”がたくさん詰まっていた。 「私はモデルさんになりたいと思っていますが、何かの魅力を伝えつつ、自身のキャラクターとかを全面的に活かせる“レースアンバサダーの仕事”が自分にはとても合っているなと思いました」と話し出すと、胸の内に決めていた想いの強さなのか、ここから彼女の話が止まることはなかった。 「基本的に私は、そんなに打たれ強いわけではないんですよ。何かをすぐ諦めてしまうことも学生時代はけっこうありました。でも、やっぱり自分にとってはレースアンバサダーというのが夢だった……」 「それを叶える途中で、自分の夢や気持ちに嘘をついたり、適当に扱うことはできないというのが強かったです」 「レースアンバサダーになるのは夢でもありましたし、レースアンバサダーを務められるのであれば賞をしっかり獲りたいという思いがあって、『絶対に何がなんでもなる!』と決めていました。自信みたいなものが合ったわけではないですけど……」 「夢って、本気で努力しないと絶対に叶わないとだと思っています。特にレースアンバサダーの世界は競争も決して優しいものではありません。キャラクターやビジュアルで勝負するのもアリかもしれないですけど、やっぱり自分は“気持ちの部分”で勝負するのがいちばん大事かなと思いました」 ■熱意を伝える方法とタイミング……綿密に戦略立てて挑んだ半年間 その熱意が実ったのか、夏実さんはデビューイヤーながらスーパーGTのGT500クラスでレースアンバサダーを務めることとなる。加入したのは名門ユニットのひとつであるENEOS GIRLSだった。 「もちろん、スーパーGTのレースアンバサダーになりたいと思っていましたが、ENEOS GIRLSで1年目を迎えることができたのは本当に光栄でしたし、スポンサーの皆様に感謝しています」と夏実さん。 そして、自分自身が決めた夢を叶えるため……レースアンバサダーデビューが決まった瞬間から行動を開始する。 「これまでSNS界隈を中心に頑張ってきたのですが、SNSってめちゃくちゃ戦略が大事なんです。『自分をどう売りたいか』『ライブ配信でファンに対してどうアピールしたらどれだけ応援してくれるか』という戦略を立てて、段階を踏んでいくというのがめちゃくちゃ大事です。そ子ができることがたぶん私の強さだと思っています」 「戦略を立てるのはけっこう得意なんです。やっぱり熱意を伝える方法とか伝えるタイミングは大事ですし、良い流れでイベントとか賞レースに挑むという流れはかなり意識していました。その自分の強さを活かしつつ、賞レースを絶対に勝ちたいと思っていました」 「もうひとつ決めていたことが、まったく経験のないレースアンバサダーの仕事で何があっても諦めずに真面目でいろんなことをどんどん吸収していくことでした。何かにひねくれるとか、後ろ向きにならずに頑張り切るというのはめちゃくちゃ大事にしてきました」 強い信念を持って臨んだルーキーディヴィジョンの投票期間だったが、「折れかけたことはめちゃくちゃあります!」と振り返る。 「ファーストステージで苦戦しているようだったら絶対に勝てないと思っていました。ルーキーディヴィジョンにエントリーすることは事前に決めていたので、数カ月前からライブ配信や撮影会に来てくれた人にすごく声掛けをして『自分はこれくらいの水準を狙っている』というのを伝え続けていました」 「しっかりと準備をして臨んでいたのでファーストステージはもう全然不安はなく『絶対にいける』と思っていました。ただファイナルステージは、またゼロからのスタートにもなるので不安もありましたね」 「特にPR放送の時がいちばんプレッシャーを感じていましたが、ファンの皆さんを不安にさせるのがいちばんダメだと思っていました。やっぱりファンの皆さんに付いてきてもらわないといけないし、チーム戦だと思っているので、不安なところを出したりすると上手くいかない。その辺の伝え方も気をつけながらファイナステージを迎えました」 不安と闘いながらファイナルステージ最終日まで突き進んだ夏実さん。 「(投票期間が)全部終わった瞬間は『もうやり切った。自分は全部を出し切った』という気持ちでした」とのこと。表彰式のステージでは思わず感極まる瞬間もあったが、それだけ強すぎる想いがあったからこそ流れた涙なのだろう。 ■「ここからが勝負」夏実晴香の挑戦は続く 最高の結果を残した夏実さん。大きなプレッシャーから解き放たれたのか、「この喜びを爆発させたいです!」と彼女らしい元気の良さで、グランプリに輝いた心境を表現していた。そして、2024年のNo.1新人レースアンバサダーの称号を手にした彼女は、すでに新たな目標に目を向け始めているようだ。 「レースアンバサダーは、見た目を重要視されるお仕事だと思いますけど、スポンサーさんに対しての気配りや、ファンに対する対応など、いろいろなところで内面というか、何か磨かれた人じゃないと長く活躍していけないと思うんですよね。この半年間で、人間としての魅力みたいなのに触れて、私はよりレースアンバサダーの仕事すごく好きになりました」 「これからは、より多くのファンに愛されるレースアンバサダーになりたいと思っています。その位置にはいくら頑張っても半年でなれるものではないと思いますし、先輩方にも『新人賞を獲ってからが勝負で、ここからがスタートだという気持ちでお仕事していくのが良い』とアドバイスをいただいて……、本当にその通りだなと思っています。自分は本当にまだまだなので、もっといろんな人に認めてもらって愛されるレースアンバサダーになりたいです」 2024年のNo.1ルーキークイーンに輝いた夏実さん。次代を担う存在となれるのか? 彼女のこれからの活躍に注目したい。 [オートスポーツweb 2024年07月23日]