アロンソはオーストラリアGP57周目、ターン6手前で何をしたのか…ラッセルのクラッシュ誘発&20秒ペナの理由が明るみに|WEDNESDAY F1 TIME
そしてターン5~6の間にあるアラムコのゲートを過ぎたところで、アロンソは一度ギアを7から6に落とす。番組MCのサッシャ氏は入れているギアの映像表示を見ながら「7、7、7、7、7、6……これ、カジノだったらジャックポットにならないです」と、57周目だけアロンソはギアを7から6に落としていたと強調した。 中野氏もターン6のかなり手前で6速に入れた映像を見ながら「ダウンシフトするような区間ではないですよね。結局スピードが落ちてくると回転も落ちてくるんで。(ターン6の)出口に合わせて回転を落とすということもあるんですけど。この後ブレーキをまた踏んでいるのに(6速から7速に)シフトアップしているんです」 アロンソはターン6のかなり手前でブレーキを踏み、速度を30キロ以上落としてから、今度は7速に戻していたことがわかる。 中野「結局回転が6速だと高くなりすぎてしまうので“あ、やっぱダメだな”となってもう一回(ギアを)上げた」
そしてターン6に差し掛かるところで、アロンソは57周目だけ226キロまで落としていた。他の52~56周目までは240~275キロで走行していたことを踏まえても、57周目だけ突出して減速していたことになる。 サッシャ「ラッセルにしてみると50キロも速度が違う。(57周目のターン6で)近づきすぎて、これでおそらく乱気流もあってリアを失った」 中野「ここは元々若干バランスを崩しやすいコーナーでもあるんですよ。コーナリングしながらブレーキもしていくんで。空力が変わりやすいんですよね。それプラス(前のマシンに)近づきすぎるとダウンフォースを失いますから。その状態でいつもと同じスピード感で、思いのほか近づいてしまった」 サッシャ「普通のコーナーだったらワイドに走っても(コース上に)戻って来られるけど、あのコーナーだったんで、グラベルもあるし、壁に当たってしまった」
アルバート・パーク・サーキットのターン6はエスケープの行き場がなく、コースアウトが即グラベル+クラッシュに直結するセクションでこのような結末になってしまった。中野氏が「追突されるような距離感では実際になかった」と見解を述べたように、アロンソ本人はラッセルをクラッシュに追い込む意図ではなく、残り2周でP6を守り切るため、ターン6からの立ち上がり~セクター2区間における対メルセデスを意識した、減速の駆け引きだった可能性が高い。 結果的に6位死守とはならず、ペナルティで8位降格となったものの、百戦錬磨アロンソのレース巧者ぶりを示したワンシーンと言えるのかもしれない。
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