舛添知事「ホテル面談相手の名は言えない」 自公も追及、消えない疑念
千葉県のリゾートホテルで知事と面談したとされる人物は果たして存在するのか――。7日開かれた東京都議会の代表質問は、前日に公表された舛添要一知事の政治資金の支出先に関する調査報告書の内容を追及する場となった。知事は各会派代表から「ホテルでの面談相手の名を明かせないのか」とただされたものの回答を避け続け、疑惑を深める結果を招いた。知事の進退をめぐっては、与党の自民・公明は知事への不信感を強くにじませる一方、共産・民進は「速やかな辞職」を求めた。 【写真】舛添知事が会見 調査結果を公表(全文1)担当弁護士による調査結果説明
「あまりにせこい。せこすぎる」「本人調査もしないのは不自然」
「相手側の立場もあるので、ご迷惑をかけるので名前を言うことはできない」。神林茂氏(自民)の追及に対し、知事が書面に目を落としながらそう述べると、議員や傍聴人など議場全体から一斉に大きなヤジが飛んだ。 神林氏の質問は「千葉県木更津市のホテルで開いた会議の参加者の名前を公表してほしい」という内容。知事は2013、2014年の1月初めに両年とも同じホテルで会議を開いたとし、計37万円を政治資金として収支報告書を提出していた。だが週刊文春によって実態は家族連れの正月旅行だったと暴かれると、5月の記者会見では「いずれの年も事務所関係者と会議を開いていたので問題はない」「家族がいる部屋で開いたことは誤解を招いた」と釈明していた。 6日公表された調査報告書では13、14年とも元新聞記者の出版会社社長との政治的な面談はあったものの、実態としては家族の正月旅行で「不適切」支出との指摘を受けた。ただ調査を担った弁護士2人は社長本人には会えず、周辺者の話から面談についての「事実認定」を行ったとしていた。 しかし報告書によると、2年連続で同一人物が、偶然にも家族水入らずの正月旅行先の同じホテルを訪れたことになる。神林氏は「面談相手は議会に対しても答えられないのか」と再質問で同じ問いをぶつけたが、知事はあえて回答せず、議場はまたしても騒然となった。 和泉なおみ氏(共産)も「2年連続で正月に会議したのに相手の名も言えず、(弁護士が)本人に調査すらしていないのは不自然」と迫ったものの、知事はここでも会議メンバーの名前に関する答弁を避けた。