5日で5連戦の過酷な大会「全国社会人サッカー選手権」は中止せよ(1)大学生を含む「社会人」の大会を初観戦、決勝進出はFC徳島と「専門学校生」
■事実上の「5部チーム」出場
最近の日本では下部リーグのレベルアップが顕著で、「全社」に出場するチーム、つまり事実上の5部リーグのチームといってもテクニックのある選手がそろい、戦術的狙いも明確で、それなりに運動量も求められる。 そんな時代に5連戦を行うというのは、信じがたいことだ。選手たちはそんな悪条件の中で頑張っていたが、やはり連戦による疲労のせいで体のキレが失われてしまう。ふだんだったら確実に上げられるであろうクロスも、腰がうまく入らずにゴールラインを割ってしまう。そんな場面もあった。 今時、こんな日程の大会があっていいものなのだろうか? 選手たちが真剣に戦っているからこそ、もう少し良い条件で戦わせてあげたかったのだ。5戦戦う中で、2日程度の休養日を設けることはできないのだろうか? そもそも、この全国社会人サッカー選手権というのは、どのような大会なのだろうか? まず、出場するのはどのようなチームなのか? そして、「社会人」とはどういう選手を指すのだろう? 「大会要項」によれば、参加できるチームは「公益財団法人日本サッカー協会および一般財団法人全国社会人サッカー連盟に登録された、第一種(準加盟を含む)チームに有って、次の条件に従う」とある。 そして、その条件の(1)には「J1リーグ、J2リーグ、J3リーグ、JFL、大学連盟、高専連盟、専門学校連盟に加盟したチームは除く」とある。(2)以下は選手個人の参加資格とか外国籍選手に関する規定なので、参加チームに関しての規定は以上の通りとなる。 つまり、第1種のチーム(年齢制限のないチーム)のうち、JリーグやJFLといった上位カテゴリーのリーグに所属していないこと。そして、大学リーグなど学校系の連盟に加盟していないことが参加条件というわけだ。
■サッカー独自の「社会人」概念
一般の日本語として「社会人」というのは、「学校を卒業して、何らかの仕事に携わっている人」のことを指すのだろうが、全国社会人サッカー連盟の規定に従えば、学校系のリーグに所属していなければ、学生も含まれることになる。 実際、今大会で優勝したJAPANサッカーカレッジ(新潟県)は、専門学校の学生チームだし、中京大学FC(愛知県)は大学生のチームだった。 現在、多数の選手を抱える大学では、伝統ある大学リーグに出場する「一軍」以外にもチームを編成し、さまざまなリーグに参加している学校が多い。中京大学FCのように、各地道府県、各地域の社会人リーグで戦っている学生チームはたくさんある。 つまり、全国社会人連盟に加盟しているのは、必ずしもいわゆる「社会人」でなくてもいいのだ。第1種チームでJリーグ等の上位リーグや学生系リーグに属していなければ、すべて「社会人」であり、社会人選手権にも出場できるのだ。 厳密に考えるなら、「社会人」という名称は、現状から遊離している。そろそろ名称変更すべきものと言わざるを得ない。
後藤健生
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