裁判員経験者の96%以上が「良い経験」と回答…18歳から選ばれる「裁判員制度」について解説
◆裁判員を経験した10代の感想を紹介
もし裁判員に選ばれたとき「法律に詳しくないのに、裁判に参加しても大丈夫だろうか?」と不安になる人もいるかもしれませんが、法律の知識は必要ありません。裁判員裁判では、あらかじめ裁判官、検察官、弁護人が事件の争点を整理し、必要な証拠を厳選します。その後、証人や被告人の話を聞き、証拠書類や証拠品を確認することで、裁判員は事件について判断できるようになっています。 また、裁判員裁判では裁判官と裁判員が1つのチームとなり、話し合いながら結論を出すため、1人で悩んだり、責任を感じたりする必要もありません。審理が終わった後、裁判員と裁判官3人全員で、被告人が有罪かどうか、有罪の場合はどのような刑にするかを話し合います。これを「評議」と言います。 選ばれる前は「やりたくない」と思っていた方が多い裁判員ですが、実際に経験したことで96%以上の方が「良い経験と感じた」と回答しています。裁判員を経験した10代の方々からは、こんな感想がありました。 ・自分の犯罪に対する考えの甘さや法律の重さを実感することができた。また“法律は身近にある”と認識することもできた。歳も性別も職業もまったく違う人たちの意見を聞くことや自分の意見を言うことも、とてもいい経験だと思った。 ・裁判員のなかで最年少だったが、幅広い年齢層の人の意見を聞けた。裁判員をやる前よりも自分の意見を広く持てたと思うし、意見が言いやすい環境だった。10代でも問題なくやれると感じた。 ・評議で培った“異なる世代の人に自分の意見を論理的に伝える力”を今後も生かしたい。 ・裁判官の議論の進め方などは非常に参考になり、自分が会議の進行役をする際などに活用しています。
◆裁判員制度を辞退する場合は?
では、やむを得ない事情で裁判員になれない場合は、どうすればいいのでしょうか? 裁判員制度は、仕事上の重要な用務などを理由に辞退が認められる場合もあります。そのほか、“候補者に選ばれた人の負担が重すぎないように”との配慮などから、70歳以上の方や学生の方、重い病気やケガなどの事情を理由に辞退することもできます。一方で、辞退しなければ他の方と同じように裁判員に選ばれる可能性があります。 裁判員裁判のような社会的に意義のある活動に参加することは、本人にとっても社会全体にとっても有意義なことです。「裁判所としても、“仕事や勉強が忙しい”“育児や介護をしている”などの事情がある方もいるかと思いますが、できれば辞退せずに“裁判員をやってみたい!”という方が参加しやすい環境整備に努めていきたいと思います」と恒光さん。 裁判員制度の詳細を知りたい人は、公式Webサイトをご確認ください。サイト内にある「裁判員制度インフォグラフィックス動画」や「すっとわかる、裁判員制度なるほどブック」などを活用し、裁判員の疑問や不安を解消しましょう。 最後に恒光さんは、「私自身、裁判員裁判を担当するなかで、裁判員のいろいろな視点と感覚に触れ、学ぶことがたくさんありました。18歳、19歳の方々をはじめ、幅広くご参加いただいてこその裁判員裁判だと思います。裁判所では参加しやすい環境作りや意見を言いやすい雰囲気作りに努めておりますので、積極的なご参加をお待ちしております」と呼びかけました。 番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「裁判員制度」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。 村上は“裁判員制度をもっと知ろう!!”とスケッチブックに書き、「制度としては知っていたんですけど深くは知らなかったので、(裁判員裁判を)体験した皆さんの感想なども知ってもらいたいです」と話します。続けて、杉浦が挙げた“裁判員制度を検索して”とポイントを挙げ、「動画やブックなどを見てもらえれば、もっと深く知ってもらえるかなと思います」とコメントしました。