51歳で乳がん発覚の長山洋子(56)全摘手術も「9歳の娘には自分からは伝えられず」普段使わない乱暴な言葉をノートに綴った日々
歌手として40年のキャリアをもつ長山洋子さん。2019年に初期の乳がんが見つかり、 全摘手術を受けた経験があります。ひとり娘は当時まだ9歳。不安との希望の間で揺れ動いた当時の経験についてお聞きしました。(全4回中の1回) 【写真】「まるで姉妹」14歳になる娘と映る長山洋子さんの近影など(全21枚)
■「乳がんです」に「あ、そうなんですね」人ごとのように返すも ── 2019年に初期の乳がんが見つかり、手術をされました。当時の状況を教えていただけますか? 長山さん:人間ドッグは毎年受けていましたが、2019年の検査の際に「ちょっと気になるところがある」と言われ、もう1度検査をしたんです。でも、小さくてよくわからなくて。少しでも疑いがある状況は不安ですから、4か所くらい病院を回ったのですが、やっぱりきちんとした結果が出ない。「細胞組織をとって顕微鏡で見れば100%わかる」と聞き、検査を受けたところ、ようやくがんだと判明しました。それくらい本当にちっちゃいものだったようです。
── それまで体の不調は感じていらしたのでしょうか? 長山さん:いえ、まったく。しこりもなかったですし、元気に過ごしていて、自覚できるような症状はなかったんです。 細胞を採った後、すぐに結果を知りたくて電話をしたら、「乳がんでした」とさらっと言われました。「告知をされた瞬間、動揺して思考停止になってしまう」なんて話もよく聞きますが、意外と冷静に受け止めていて、「あ、そうなんですね」となぜか人ごとのように返事をしてしまって。それまで時間があれば1日中調べていたので、「もしかしたらそうなのかも」という覚悟ができていたんだと思います。がんだと聞いて、「私、死ぬのかな…」と一瞬思いましたが、初期だということだったので、「とにかく悪いものはすべて取ってしまおう」と切り替えました。
■幼いわが子のため「乳房は全摘一択」 ── 手術では、乳房の全摘を選択されました。迷いはありましたか? 長山さん:温存についても説明を受けましたが、幼い子どももいるので、命が最優先。私の場合、小さい粒のようながんが広い範囲に散らばっていたので、それが残ってしまうのもイヤですし、悪い部分はすべて取り除いてしまいたかったので、迷わず全摘を選びました。自分でもさんざん調べ、先生にもしつこいくらい質問をして。知識がないと、病と戦えないですから。もちろん先生もきちんと説明して選択肢を示してはくださるけれど、最終的に決めるのは、私自身なので、後悔のない選択をしたかったんです。