「どうして読めないの?」「なんで書けないの?」子どもたちを悩ませる学習障害(LD)とは何か
6つの能力に影響を及ぼすもの
学習に必要な6つの能力の習得には、さまざまな力が必要です。例えば、以下のような力に苦手があると、学習困難につながります。 (1)デコーディング 目で見た文字を頭のなかで音に変換する力(デコーディング)。これが弱いと「読み」がなかなかスムーズに進まない (2)音韻認識 聞いた言葉を音としてとらえ、その要素を頭のなかで分割したり、並び替えたりする力(音韻認識)。これが弱いと、音と文字の関係を学ぶのが難しくなる (3)ワーキングメモリ ワーキングメモリは、見たり聞いたりしたことを短期間記憶にとどめて、それを使う力。「黒板の文字を書き写す」「順序立てて話す」「読みながら内容を理解する」といったときに必要 (4)視覚認知力 目で見た情報を脳で処理する機能(視覚認知力)が働くことによって文字の形を正しく認識したり、単語をひとまとまりとして読んだりできる。これが弱いと、文字を正しく読みとりづらくなる (5)言語理解力や記憶力 言葉の意味を理解し、必要な場面で使えるように記憶しておく力が弱いと、語彙が増えにくく、「自分の意見を言葉で表現することが苦手」といったことが起こる 続きは<「読めない、書けない、計算できない」学習障害(LD)の子どもが苦手なこと、その兆候とは?>で公開中!
高橋 知音(信州大学学術研究院(教育学系)教授)