浅野忠信の母・順子(73)40代で家族と離れバーや古着屋経営、63歳で画家に「きっかけは60歳で恋に落ちたこと」
63歳で初の個展を開いて画家としてデビュー。以降10年間、年に2~3回、個展を開催している浅野順子さん。長男のKUJUNさんは、現在音楽家として活躍されており、次男は、俳優の浅野忠信さんです。そんな浅野さんの半生を一編として収録した『人生後半のひとり暮らしを穏やかに楽しむ』が話題に。画家をめざすきっかけや現在の活動についてお聞きしました。 【画像】「73歳とはとても思えないカッコよさ」俳優・浅野忠信さんの母でもある順子さんの暮らしぶりを大公開(全17枚)
■子育てもバー経営も画家も。自分らしく愛をもってかかわる 浅野さんは横浜で生まれ育ち、1960 年代以降は米兵らが集うバーやナイトクラブで、ファッションや音楽、ダンスといったあらゆるカルチャーを体感。地元の友人だったタレントのキャシー中島さん、モデルの山口小夜子さんらとともに、当時の横浜カルチャーを牽引していた「クレオパトラ党」のメンバーとして一目置かれる存在でした。
その後、若くしてお子さんを授かった浅野さんは、子育てに追われながらも、米軍のフリーマーケットで見つけた洋服をリメイクしたり、フリマを主催したり。どんなシーンでも自分らしさを忘れないのが浅野さん流です。小さな息子たちに古着のリメイクアイテムを着せたり、ジーンズにヘソ出しのチビTシャツを着て授業参観に参加したなど、ほほえましいエピソードもたくさんあります。 もちろん、家族に愛情をたっぷり注ぎ、悪いことはきちんとしかり、うれしいことは全力で一緒に喜び、息子たちのことで父親と朝まで激論を繰り返すこともしばしば。他人であっても、困っている人を見るとほうってはおけず、思わず声をかけてしまう…。浅野さんは母性の塊のような人なのです。
■10年後の自分を思い描いて「いくつになってもなりたい自分になれる」 自由を愛する浅野さんですが、実はとっても現実的。中学生の頃から、10年先のビジョンを描きながら、人生を積み重ねてきました。 「世の中の流れってだいたい10年サイクルでしょう? 80年代、90年代って区切るみたいに。人生って一生で考えると思いどおりにならないことのほうが多いけど、10年単位なら自分の意識や行動でなんとかできる。これまで、節目ごとに10年先はこうなっていたいと思い描いてきたけど、だいたいそのとおりになっているかな」