東洋大姫路、17年ぶり4度目V!エース阪下1失点完投 岡田龍生監督、万感「ほんまにうれしい」/秋季近畿大会
秋季高校野球近畿大会(4日、東洋大姫路5-1智弁和歌山、ほっともっとフィールド神戸)決勝が行われ、東洋大姫路(兵庫1位)が智弁和歌山(和歌山1位)に5-1で快勝し、2007年以来17年ぶり4度目の優勝を決めた。履正社(大阪)を全国制覇に導いた岡田龍生監督(63)は母校の指揮官就任3年目での栄冠。打線が8安打で5得点と効率よくつながり、先発のエース阪下漣(2年)が7安打1失点で完投し、勝利を呼び込んだ。20日開幕の明治神宮野球大会(神宮)に近畿代表として出場する。 選手の手で胴上げされ、宙に舞った。2022年4月に母校の指揮官に就任して3年目。近畿の頂点に立った東洋大姫路の岡田監督が声を弾ませた。 「ほんまにうれしい。まさか、ここまで頑張ってくれるとは」 決勝までの3試合で24得点と猛打をふるってきた打線が三回につながった。3本の長短打に3つの四球などを絡めた打者一巡の猛攻で一挙4点をもぎとると、四回にも2本の安打にスクイズで1点を追加。プロ注目の最速147キロ右腕、阪下は四回に今大会4試合目で初の失点を喫したが、動揺することなく要所を締めてリードを守り切り「丁寧にコースを突く投球ができた。ピンチの時のコントロールが良かった」と胸を張った。 東洋大姫路は春夏合わせて甲子園に20度出場し、1977年夏には全国優勝。6度の4強進出がある強豪だったが、最後に4強入りした2008年春以降の16年間の甲子園出場は2度だけと、「古豪」という呼び名の方がふさわしい存在になりつつあった。 そこで復活への白羽の矢が立ったのがOBの岡田監督だった。「母校だし(選手の)先輩でもあるわけで、(監督を)引き受ける限りは昔の強い東洋大姫路高校にしたい」と体づくりから改革に着手。守備、走塁、バントを重視する伝統の野球で着実に力をつけ、初の全国の舞台を踏む。 明治神宮大会では、大会第1日(20日)の第1試合で福島・聖光学院(東北地区)とぶつかる。「各地区の優勝校が出てくるので、いろいろ勉強できる。この経験は大きい」と力を込める。古豪から強豪復活へ。確かな一歩を踏み出した。(月僧正弥)