中村憲剛×山根視来スペシャル対談。飛行機移動や時差がキツい? クラブの規模は? ふたりが語り合うアメリカ・MLSの魅力
「時差はキツい」(山根)
山根 (チーム構成は)東と西で分かれていて(山根のロサンゼルス・ギャラクシーはウェスタン・カンファレンスに所属するが、リーグ戦ではイースタン・カンファレンスのチームとも対戦する)、時差が2時間ほどの場所もあって。 中村 国内で時差があるの? やっぱりアメリカはスケールがデカいな。 山根 めちゃくちゃ広いですからね(リーグにはカナダのチームも所属)。 中村 例えば土曜日の試合だったら、金曜日に移動するの? それとも木曜日? 山根 基本的には前日なので金曜日ですね。 中村 前日練習してから移動ってこと? 山根 そうですね、練習してから、チャーター機が待ってくれていて。 中村 チャーター機、凄いな。 山根 コロナ禍を経て、そうなったみたいで。飛行機での移動は平均で3時間くらいです。東海岸のほうまで行く場合は、最長で5時間ぐらいかかりますね。 中村 5時間...そりゃ時差が生じるよな。 山根 そこだとロサンゼルスとの時差は3時間あるんですよ。 中村 そうすると調整が難しいよね? 山根 到着したらもう夜みたいな感じです。ただ体内時計はまだ夕方だったりするので寝る時間になっても全然眠くないんですよ。それで次の日13時キックオフとかなので午前中に試合をやるみたいな(笑) 中村 え!? 山根 本当に身体が重くて。MLSはAppleが独占で放送しているので(Apple TVで視聴が可能)、キックオフ時間が被らないように、時間もバラバラなんですよね。で、前日に早く寝ようと思っても、なかなか寝付けない。それに夏はサマータイムも重なるので、時差がより増えたり。なので、試合前々日くらいから早く寝るだとか、工夫するようにしていました。 中村 その環境で欠場は1試合のみ。相変わらずの鉄人ぶり。膝の調子だって良くなったんだよね? 山根 実を言うと膝はフロンターレに移籍した時あたりからずっとしんどかったんですけど、年々良くなっていて。 中村 それが俺らとは違うんだよな。歳を取っていくと、膝って良くなることは少ないから。 ――ロサンゼルス・ギャラクシーには日本人の有名なトレーナーの方もいるとか。 山根 そうなんです。アイアンフィンガーと呼ばれる、(清水)俊太さんが。すごく助けてもらっています。 (第2回に続く) ■プロフィール 中村憲剛 なかむら・けんご/1980年10月31日、東京都生まれ。川崎一筋、バンディエラとしてのキャリアを築き、2020年シーズン限りで現役を引退。その後はフロンターレ・リレーションズ・オーガナイザー(FRO)、Jリーグ特任理事など様々な角度からサッカー界に関わり、指導現場で多くを学んでいる。 やまね・みき/1993年12月22日生まれ、神奈川県出身。178㌢・72㌔。あざみ野F.C.―東京Vジュニア―東京VJrユースーウィザス高―桐蔭横浜大―湘南―川崎―ロサンゼルス・ギャラクシー。J1通算196試合・14得点。J2通算37試合・0得点。日本代表通算16試合・2得点。粘り強い守備と“なぜそこに?”という絶妙なポジショニングで相手を惑わし、得点も奪う右SB。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)