父と母を見送り、時間は有限だと実感。フリーアナウンサー渡辺真理さんがやっておきたい10のこと。
漠然と捉えていた「大人」の年齢を超えても、思い描いていた大人像には届かないもの。自分らしく輝く4人の理想の大人像、それに近づくために、やっておきたいことを伺いました。 【画像一覧を見る】
そろそろと小さな変化を重ねて、 素敵な大人になっていけたら。
「実は、1年の始まりに計画を立てたり、目標を掲げたりしたことがないズボラな人間なんです」と笑う渡辺さん。 10年前に父親、2年前に母親を見送ったことで時間は有限だと実感し、今のうちにやっておきたいことを考えるようになったのだそう。 「誰にも平等で、時に残酷だけれど、悲しみを癒してくれるのも時間。最晩年を共に過ごした両親が、それを教えてくれました」 祖父母から住み継ぐ実家に、現在は夫と4匹の犬、6匹の猫と暮らしています。「ドラスティックな変化はできないし、求めていなくて。小さな目標をかかげながら、いつか素敵な大人になれていたらいいな、という地味なリストです。今の最優先事項は、夫と一緒に暮らす動物たちの健康と幸せを守ること。あとはおいしいものを食べることでしょうか」 ほぼ日刊イトイ新聞にお菓子の連載を持つ渡辺さん。料理上手な2人の母の味や、旅先で出会ったきゃら蕗など、気になるレシピはインプットしていきたいと目を輝かせます。おいしいものを食べることは、8の「機嫌よく」にも繋がります。 「健康、人間関係、お金のこと。生きていくのって大変ですよね。でもしかめ面をするより笑っている方が、自分にも周りにもきっといい。若い頃はもっとあれこれ悩んでいた気がするのですが、負の感情は手放すことを覚えました」 手放さないと新しいものは入らない。季節が巡るように、必要なことは巡ってくると語る渡辺さん。そのためには、肩の力を抜くことも大事だと気がついたのだとか。 「時には、自分で自分を諦めてあげることも必要かな。至らないけれど頑張った分は認めて、じゃあ次ね!と思えたら機嫌よくいられるんじゃないでしょうか」 お手本にしているのは、常に美しい背中を見せ続けてくれる先輩たち。 「時に叱りつつ姉のように接してくださる樋口可南子さん、『真理ちゃんもゴルフを始める方がいい」とビシッと勧めてくださる山本容子さん、心のある優しさを教えて下さる吉永小百合さん。若い頃から素敵な先輩方との交流を通して、歳を重ねるって楽しく幸せなことなんだと教えていただきました。永遠に追いつけないけれど、先輩方の美しい背中を追い続けていきたいです」 2年前に母親を看取るまで20年以上、介護と仕事を両立させる忙しい日々を過ごしてきた渡辺さん。ライフステージの変化による心境の変化はあるのでしょうか? 「天寿を全うした両親との別れは、寂しさと同時に『さぁこれからがあなたの人生』と背中を押されたような感覚もありました。夫と2人、どこに行こうか、何を食べようかとささやかな日常を楽しんでいくことで、10年後20年後、ご機嫌な大人でいたいと願っています」