【プレビュー】セナの死から30年…昨季は豪雨中止で2年ぶり開催のイモラ、第7戦エミリア・ロマーニャGP|F1
F1第7戦エミリア・ロマーニャGP 概要
ランド・ノリスが待望のキャリア初勝利を収めたマイアミGPを終え、F1の舞台はいよいよ欧州に移る。 【動画】「好きなコース」「ブレーキングが面白い」角田裕毅によるイモラの印象とは 昨年、洪水による影響で中止となったこともあり、今回エミリア・ロマーニャGPは2年ぶりの開催となる。イモラでの注目は何と言ってもマイアミで新パッケージを投入し、3年ぶりに勝利を記録したマクラーレンだろう。ノリスの初優勝に加え、オスカー・ピアストリも接触するまでは上位をキープするペースを見せており、第7戦でも"パパイヤ "カラーの2ドライバーから目が離せない。 一方、母国GPを迎えるフェラーリも今季初の大型アップデートを投入すると発表しており、絶対王者であるレッドブルを加えた激しい三つ巴の戦いが期待される。また、このサーキットはかつて“音速の貴公子”の異名で知られ、日本でも絶大な人気を誇ったアイルトン・セナ、日本との縁が深かったオーストリア人ドライバー、ローランド・ラッツェンバーガーの2人が30年前に亡くなったトラックでも知られる。 F1は”史上最悪の週末”となった1994年を境に、F1の安全性は大幅に向上となった。あれから30年。今週、イモラではどのような戦いが繰り広げられるのだろうか。
コースの成り立ち
イモラのトラックは1953年に完成。反時計回りに周回するコースで、当初は高速コースとしての特性が際立っていた。 1974年にバリアンテ・アルタ、1981年にはアクア・ミネラリとシケインが追加された一方で、ホームストレートを通過後左へと緩やかにカーブするタンブレロは、高速コーナーという側面を持つことから、レース中のクラッシュも散見された。 1987年にはネルソン・ピケが予選で事故を起こし、1989年にはゲルハルト・ベルガーがクラッシュしてマシンが炎上するという事態に。1992年にはリカルド・パトレーゼもこの区間でアクシデントから負傷している。 そして1994年のサンマリノGP予選ではタンブレロを抜けた先にあるヴィルヌーブコーナーでローランド・ラッツェンバーガーが事故死。決勝ではタンブレロのコンクリートウォールにアイルトン・セナが激突し、2日連続で死亡事故が起こってしまう。1994年の同レースは“F1史上最大の悲劇”や“呪われた週末”と称され、モータースポーツにおける安全面の重要性が今一度見直される転機となった。 1995年からはタンブレロコーナー、ヴィルヌーブコーナーに低速のカーブが設けられ、高速サーキットとしての特性は薄まった。その後2006年までサンマリノGPは開催されたが、2007年よりイモラは老朽化に伴う改修工事に入り、この年以降F1のカレンダーから外れてしまう。 2016年にはモンツァのF1開催契約が切れる見通しから、イモラは今一度F1開催を目指して立ち上がったものの、モンツァの契約更新が決まり、イモラのF1開催は見送られることとなった。そして2020年は新型コロナウイルスによる未曾有の事態に伴い、1国2レース開催が不可という条件が適応外に。2020年第13戦エミリア・ロマーニャGPの舞台として、実に14年ぶりとなるF1開催となった。 イモラでのF1レースは2020年に続き2021年は第2戦として、2022年は第4戦として、そして2023年は第6戦にセットされ、4年連続の開催に。だが2023年は実施直前の5月17日、当地エミリア・ロマーニャ州が大雨の影響による、深刻な水害被害が出ていることから開催がキャンセルとアナウンスされた。 2024年、イモラで2年ぶりのF1レース実施となる。前述のとおり、ラッツェンバーガーとセナがこの世を去ってから30年という節目の年でもある。 ************ 【レース情報】 F1 第7戦:エミリア・ロマーニャGP※日本時間 5月17日(金)20:30~フリー走行1回目 5月18日(土)0:00~フリー走行2回目 5月18日(土)19:30~フリー走行3回目 5月18日(土)23:00~予選 5月19日(日)22:00~決勝 F2 第4戦:イタリア※日本時間 5月17日(金)18:05~フリー走行 5月17日(金)23:00~予選 5月18日(土)21:15~レース1 5月19日(日)17:00~レース2 ************
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