大胆な色、質感、型にはまらない形を洋服に:Paula Canovas del Vasのデザイン哲学
スペイン出身のデザイナー、Paula Canovas del Vasはパリを拠点に活動している。セントラル・セント・マーチンズで学んだ後、ステラ・マッカートニー奨学制度の支援を受け、2018年に自身のブランド"パウラ・カノヴァス・デル・ヴァス"を立ち上げた。 2022年9月のパリ・ファッションウィークで発表したSS23コレクションが注目を集め、同年のLVMHプライズのセミファイナリストにも選出。ニューヨーク・タイムズ紙でも新進気鋭デザイナーとして取り上げられた。 Paulaのデザインは、豊富な参考資料や工芸の技術、独自の形状や色彩、質感、生地への探究心を軸に、さらにアーティストとのコラボレーションを取り入れるなど、若々しくも実験的だ。使用する素材はデッドストックの生地が中心だ。 そんな彼女の創作の源を、デザイナー本人に直接聞いた。
常に境界線を押し広げ、新しいアイディアを探求
ーブランドのデザインコンセプトについて教えてください。 彫刻のような立体的なシルエットを中心に展開しています。不完全さと混沌とさえ言えるような要素をあえて取り入れ、実験的な感覚と遊び心、ユニークさを賛美するコンセプトを込めています。 ーそこにはどんなデザイン哲学があるのでしょうか? パウラ・カノヴァス・デル・ヴァスのデザイン哲学は、大胆な色、質感、型にはまらない形を服に取り入れることに重点を置いています。 このブランドは、デザインプロセスにおける革新性、創造性、ユーモアのセンス、そしてデッドストックの生地を使うことを大切にしているのです。
ー彫刻的形状のインスピレーションはどこから? 建築、自然、現代アートなど、さまざまなものから得ていますね。 このブランドはデザインプロセスにおける実験と創造性をもっとも大切にしており、常に境界線を押し広げ、新しいアイディアを探求しているんです。
自己表現と創造性を奨励する
ーウィメンズウエアには、不完全であっても価値を見出す日本の美意識「わびさび」が取り入れられていますよね。