大胆な色、質感、型にはまらない形を洋服に:Paula Canovas del Vasのデザイン哲学
そうなんです。型にはまらないシルエット、未加工のエッジ、有機的なテクスチャーなどを通して、不完全さや無常さを賛美する日本の「わびさび」のコンセプトをデザインに取り入れています。 「わびさび」哲学の遊び心と創意工夫は、アシンメトリーなデザイン、意外性のあるディテール、自然体の感覚を通して、ブランドのコレクションに反映されています。 ーそのほか、代表的なデザインについても教えてください。
たとえば、ミニドレスには鮮やかな色と動きのある素材を選び、デザインに活気と興奮を加え、ブランドの遊び心と陽気な美学を高めています。 また、ユニークな「ディアブロ」シューズは、動物の蹄をイメージしていますね。
話題になったフリンジバッグのデザインコンセプトは、SS23コレクションの一部で、動きのあるフリンジや、衣服とアクセサリーの両方に使用されたさまざまなタイプのストライプやテープを参考にしているんです。
これらのデザイン哲学は、伝統的な完璧さの概念を否定し、個性と自発性を称賛することを反映しています。このようなデザインにおけるユーモアと陽気さの強調は、ファッションに喜びとポジティブさをもたらすとともに、自己表現と創造性を奨励するというブランドの願いが込められています。
ー最後に、今後の展開についても聞かせてください。 今後もパウラ・カノヴァス・デル・ヴァスはデザインの美学に忠実でありながら、コラボレーションを通じてコンセプトやアイディアを推し進めて参ります。そして、より多くの方にブランドを認知していただき、国際的にも拡大していけるよう目指しております。 新しい商品カテゴリーへの展開やアーティスト、デザイナーとのコラボレーションなどを中心に検討していますね。 また、若手デザイナーへのアドバイスとしてお伝えしたいのは、トレンドに目を向けないこと。自身の声を見つけ出し、自分と自分の作る製品に正直になることが大切だと伝えたいです。