南砺・福光中に展示の棟方作品複製を新調 まちづくり協議会
富山県南砺市の福光中学校に飾られていた福光地域ゆかりの板画家、棟方志功の「四天雄飛(してんゆうひ)の図」の複製が経年劣化したため、棟方志功まちづくり協議会(水口秀治会長)が新調し9日、同校に寄贈した。 四天雄飛の図は、棟方が1950年に福光中生徒の飛躍を念じて描き、同校体育館に飾られていた。中曽根康弘元首相が福光地域出身の政治家、松村謙三の追悼で福光を訪れた際、作品を目にし「大切に扱ってほしい」と言ったことが契機となり、複製が作られた。原本は現在、福光美術館で所蔵している。 複製が色あせてきたため、同協議会が住民から寄付を募り、57万円を集めた。制作費のほか生徒らに配るポストカード代に充てた。 この日は、全校生徒163人を前に贈呈式があり、水口会長と棟方研究家で孫の石井頼子さん、生徒会長の吉江なつさん、蓑口義裕校長の4人で除幕した。 複製は2枚組で、それぞれ縦93センチ、横178センチの原本を95%に縮小し、描かれた当時の鮮明さを再現した。水口会長は「この絵を見て新しいことに挑戦してほしい」とあいさつ。石井さんは「描かれた時と同じような雰囲気になった」と解説した。吉江さんは「思いに応え、飛躍できるよう頑張ります」と謝辞を述べた。