なぜ、サイバーエージェントの広告運用は業界トップなのか? 理由を聞いた
アルゴリズムの理解 メディアごとのアルゴリズムを徹底研究
広告配信に使われる各種アルゴリズムは、メディアによって異なるため、それぞれを理解することに力を入れている。 ┌────────── アルゴリズムを理解するリーダーを、メディアごとに配置しています。Microsoft 広告であれば原が担当しています(蜷川氏) └────────── 一人がすべてのメディアを理解しようとすると、理解の差によって注力するメディアが偏ったり、軽視してしまうメディアが出てきたりするため、組織として全メディアを理解できる仕組みを整えている。 アルゴリズムの理解においては、社内に専門組織「アルゴリズム研究センター」があり、各メディアの検証などを行っている。その検証結果を持った上で、メディアの仕様について直接メディアに確認する。時には、アメリカの開発者に直接質問する場合もあるという。 アルゴリズムが重要なのは、アルゴリズムによって配信される広告が大きく変わるからだ。たとえば、キャンペーンで広告AとBを用意したときに、あるメディアでは配信効果の高いAに配信を増やすが、別のメディアでは均質に配信し続けることがある。均質に配信し続けるなら、効果の低い広告は削除したり、差し替えたりする必要がある。 ┌────────── アルゴリズムは常に変化するので、一つずつ検証して、効果を確認する。その検証結果が正しいのかメディア側にも確認する。この繰り返しで各メディアのアルゴリズム理解を深めていきます(蜷川氏) └────────── 有園氏は、サイバーエージェントの担当者から細かい仕様を聞かれて驚くことがあるという。たとえば、広告の品質を評価するクオリティスコアは、競合とのオークションや掲載順位にも影響するが、同じクリエイティブでもアルゴリズムやユーザー層によってメディアごとにスコアが異なる。 ┌────────── ここまで細かなレベルで質問するのは、サイバーエージェントくらい。しかも、サイバーエージェントは、現場担当者だけでなく、役員もアルゴリズムへの理解力が高いと感じています(有園氏) └──────────