【ニュージーランド】NZ政府、重要鉱物リスト草案発表
ニュージーランド(NZ)のビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)がこのほど、国家重要鉱物リストの草案を発表した。潜在性と実用性を評価し国内の鉱床をマッピングする鉱物戦略の一環で、NZとしては初の試み。国家安全保障やテクノロジーの発達に役立つ、国際的な需要がある、国内外で供給混乱のリスクが高い、といった条件に該当する35種類の鉱物が挙げられた。 10月10日までパブリックコンサルテーションを実施し、年内に最終版を発表する。将来的には、リスト内の特定鉱物について開発戦略が策定される見込み。 ジョーンズ資源相は、「NZはこれまで自国の鉱物の需要や弱点について把握していなかった」とし、リストの作成により、潜在的投資家や貿易相手国にNZが持つ可能性をアピールしやすくなると説明した。 政府は鉱物部門を輸出産業に転換したい考えで、2035年までに同部門の輸出額を20億NZドル(約1,740億円)に倍増することを目指している。 また、石炭と金は条件に該当せずリストに含まれていないが、経済への貢献度は高いとし、産業の保護に向け別途政策の強化が必要だとする声もある。 ■環境団体は懸念 環境団体は「これらの鉱物の多くは環境保護地区に埋蔵されている」とし懸念を表明。埋蔵地だけでなく採掘による代償も明確にする必要があるとした。 ジョーンズ資源相は、「資源の開放について一部の人々が神経質になっていることは理解している」とした上で、科学的根拠に基づかない恐怖によって資源業界の声がかき消されることを許してはならないと反論している。