《ブラジル》有名インフルエンサーを指名手配=フォロワー使って祖父の仇討ち
469万人以上のフォロワーをもつ18歳の有名インフルエンサーが、殺人容疑で指名手配された。彼は兄と結託し、祖父を暴行して死に至らしめた報復として被害者を殺害したとみられている。容疑者は自身のSNSで豪華な生活を見せびらかしてフォロワーを集めており、その情報網を通じて祖父を暴行死させた人物の居場所を突き止めたとされている。6月28日付G1サイトなどが報じた。 「ニーノ・アブラヴァネル」ことデイヴィス・エリゼウ・コスタ・シルバ容疑者(18歳)は、SNS上で高級車や有名人との写真を公開し、贅沢な日常生活の様子や危険で違法なバイク運転を披露して注目を集めていた。 彼は6月19日、兄のデリキ・エリアス・コスタ・シルヴァ(20歳)と共に、建設作業員のタルシジオ・ゴメス・ダ・シルバさん(32歳)を殺害した疑いが持たれている。この男性はサンパウロ市南部のMボイ・ミリン大通り沿いのガソリンスタンド付近で無残な姿で発見された。警察によると、11発の銃弾が被害者に撃ち込まれ、頭を撃たれて即死だった。その直前に容疑者のフォロワーから『タルシジオがグアラピランガ地区のバスターミナル付近を歩いている』という目撃情報が寄せられていた。 防犯カメラの映像によると、フード付きのトレーナーを着た男が被害者に近づき、発砲した。警察の捜査で、この男が兄デリキ容疑者だと確認された。さらにカメラは、デリキ容疑が弟デイヴィス容疑者の運転する車に戻り、2人が現場を去る様子も捉えていた。 保安局(SSP)によると、車に乗っていたもう一人の男、ジュリオ・セザール・デ・ソウザ・アルベス容疑者(23歳)が20日に逮捕された。 警察によると、この事件の1カ月前の5月19日、タルシジオさんがヴァルデシ・フェレイラ・ダ・シルバさん(70歳)に暴行を加え、翌日未明に搬送先の病院で息を引き取った。この高齢者はタルシジオさんに仕事を依頼しており、容疑者兄弟の祖父にあたる。 デイヴィス容疑者は犯行の8日前に18歳になったばかりだが、車の運転が許可される年齢に達する前に運転している動画をSNSで公開していたことから、警察によってマークされていた。 容疑者兄弟の弁護側は声明で、容疑は根拠のないものであり、デリキ容疑が犯罪に直接または間接的に関与したことを証明する具体的な証拠はないと述べた。カメラの映像は鮮明ではなく、決定的なものではないとし、捜査を打ち切るべきだと強調した。 「ニーノ・アブラヴァネル」は自身のSNSで、ブラジルで禁止されているオンラインカジノ「フォーチュン・タイガー(Jogo do Tigrinho)」の宣伝をし、大金を稼いでいたとみられている。 1日15時現在、容疑者兄弟は未だ逃亡中だ。警察は彼らの所在を突き止め、逮捕して犯行を解明するため捜査を続けている。