バスケ女子日本代表の林咲希、30点差でも1本の3ポイントシュート成功に喜ぶ理由「1秒1秒のプレーが命取りになるようなこともある」
「ワンプレーワンプレーがお客さんに魅せるための機会」
第3クォーター残り6分35秒、林は宮崎早織のキックアウトから3ポイントシュートを射抜いた。11本目の試投にしてようやく2本目の成功となり、アシストした宮崎を指さして笑顔を見せた。長距離砲を沈めるという自身の役割を全うできたことへの喜びはあったが、それよりも多くの観客に日本バスケのクオリティの高さを示せたことに林は意義を感じている。 「こんな(大きな)会場でやっていて、私たちにとってはワンプレーワンプレーがお客さんに魅せるための機会です。そこの責任感はすごくあります。3ポイントが入らないもどかしさはあったんですけど、やれることをやるという必死な感じでやっていたので、無意識にガッツポーズしていたと思います。みんなもやっと決めてくれたっていう気持ちもあったと思いますし、私もやっと決めれたところでうれしかったです」 もちろん、良いパフォーマンスができれば、自然と笑みはこぼれるだろう。ただ特筆すべきは、この時点ですでに30点を超える大差がついていたこと。大量リードによって集中力を欠き、点差を詰められることはよくある。それでも、林を含めた全員が高い集中力を維持し、最後まで全力プレーを貫いたことが、125-57というスコアに繋がった。林はあらためて、日本のこうした強さについて言及した。 「私たちは世界一を目指していて、1秒1秒のプレーが命取りになるようなこともあり、それを練習でやってきました。気持ちのズレからいろんなズレは出てくるので、チーム全員で戦っているという意思は忘れずに、戦っていかなきゃいけません。みんながズレを作ることなくやり抜くというところをやってきたので、それが染みついているんだなって、あらためてすごく感じました」 昨日の第1戦は女子日本代表の試合では過去最多となる1万1624人の観客が足を運んだ。林の一挙手一投足から、世界一を目指す日本のプライド、ファンへの思いが多くの人に伝わったはずだ。
丸山素行
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