ジェーン・スー「道」に怒る…泥棒に入られたのは、鍵をかけ忘れた自分のせい? 必要以上に自分に絶望しないための方法
何があっても必ずなんとかなるという確信
サク スーさんは世界が怖くない? スー 怖くない。何があっても必ずなんとかなるという確信がある。なんだろうね、この確信、どこから来てるのか、世界に対する信頼感の高さ。 サク それはスーさんが誰にも邪魔されずにしっかりハンドルを握れているからだよ。何か問題があっても右にも左にも自在に行けるでしょう。ハンドルが自分の手の中にあれば、何の心配もいらないのよ。 世界は怖い場所ではなくなる。周囲の顔色をうかがって他人を優先している人はハンドルを他者に委ねてるんだよね。そうすると、世界は自分でどうにもできない怖い場所、信用できない場所になる。必要以上の警戒心が生まれてしまう。 スー 周囲の顔色をうかがっていると、たしかに、自分がどう動くか、どう判断するかより、人がどう思うか、人がどう判断するかが行動原理になるね。生まれたときは自分で運転する気満々でも、物心ついたときにすでに親がハンドルを握っていたら、自分で決めていいことなんてひとつもないと思うのは仕方ない。 ここにハンドルがあるよ、ハンドルはあなたが握るもの、好きな方に行けるよ、世界は怖くないよって、どこかの時点で気づけるといいけど。 サク ハンドルから手を離して人に委ねていると、自分が行きたい場所に行けないし、イヤな思いをたくさんする。わたしはいろいろな失敗を繰り返して痛い目に遭ったけど、あるとき、ハンドルを自分に取り戻せたと実感した瞬間があるの。
---------- 桜林直子(さくらばやし なおこ) 1978年、東京生まれ。洋菓子業界で12年の会社員を経て2011年に独立。クッキーショップ「SAC about cookies」を開店(現在はオンライン販売のみ)。noteで発表したエッセイが注目を集め、ドキュメント番組『セブンルール』に出演。20年より「雑談の人」という看板を掲げ、マンツーマン雑談サービス「サクちゃん聞いて」を主宰。著書に『世界は夢組と叶え組でできている』がある。 ---------- ジェーン・スー(じぇーん・すー) 1973年、東京生まれ。コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」、ポッドキャスト番組「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」のパーソナリティとして活躍中。著書に『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(第31回講談社エッセイ賞受賞)、『生きるとか死ぬとか父親とか』『おつかれ、今日の私。』『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』などがある。 ----------
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