コータキ精機、水素ガス切断機の1号機をニューエイジ(茨城県)に納入
溶断機メーカーのコータキ精機(静岡県駿東郡長泉町)は、水素ガス切断機のPRと拡販に力を入れる。 同社の親会社である岩谷産業グループがLPGに代わる鋼材切断用途に特化して開発した水素とエチレンの混合ガス「Newハイドロカット」を同社製溶断機(PCシリーズ)に採用。水素ガス切断機として1号機を厚板溶断加工業のニューエイジ(茨城県八千代町)に納入した。 ニューエイジ独自の厚板溶断技術とも相まって(1)切板加工の生産性および品質・精度の向上(2)現場作業者の労務負担軽減(作業環境改善)―を実証。混合ガスではあるが水素比率が圧倒的に高く、LPGから水素ガスにシフトすることでCO2排出量を大幅に削減することはすでに岩谷グループで確認済みだ。 単位当たりガス単価は割高だが、環境性能の高さや生産効率化、現場の負荷軽減といったトータルメリットやコスト合理化効果をアピールし、厚板シャー・溶断業界を中心に建設、建機・産機、造船といった鋼材加工現場への認知度・浸透を広げていきたい考え。 すでに関東圏で2号機の市場投入が決まっており、関西エリアでは具体的な引き合いが集まるなど関心の高さを示しているという。 「Newハイドロカット」(岩谷瓦斯製)は、一定条件の下でLPGと比較したCO2排出量は90%以上の削減が可能とされ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。切板の反り・歪みも少なく断面品質も向上。ノロ取り作業も簡易で済む。水素特性である輻射熱の低減効果で「熱さ(熱気)」の体感度合いも抑制。これによって特に夏場の作業性は格段に高まる。 ニューエイジではガス流量制御コントローラ「マスフローメーター」を装備したほか先穴あけドリルをピアシングに活用し、水素ガス切断効果を高めている。万一のガス漏れ検知のための安全装置も二重に取り付けた。これらも推奨し、今後の導入促進を図っていく。