【独自解説】「国宝級の大発見」富雄丸山古墳 埋葬されていたのは一体誰?手つかずの棺から更なる発見! 「将来の夢は考古学者」発掘現場の学生の一人に密着
(奈良大学4年) 「こういった現場に来て、自分で掘って、自分であげて、っていうのを通してすごいやっぱり、『実物を見るのって大事だな』って気づかされる」
(奈良大学 文学部文化財学科 豊島直博教授) 「遺跡の発掘調査は本物を掘らないとわからないところがたくさんありますので。大学のなかで練習はできても実践は大切だと思いますので、そういう経験が学生に積んでいただけるところがメリットあると思います」
棺の中から見つかった副葬品 そこから考えられる埋葬された人物とは?
古墳は破壊されていることも多く、残っていたとしても天皇陵などに指定されていると調査には厳しい制限がかかります。手つかずの棺を発掘できる「富雄丸山古墳」は、多くの学生たちにとって貴重な「実践の場」なのです。 2月下旬、富雄丸山古墳では… (奈良市埋蔵文化財調査センター 柴原聡一郎さん) 「いま2枚重なって出てきている状態です」 棺の足元の部分から、黒い丸い皿のようなものが重なって出てきました。さらに掘り進めていくと、驚きの声が上がりました。 「おー!もう1枚もう1枚、3枚目あった。同じトコ、同じトコ。どうなっとんじゃこりゃあ」 実は出てきたのは、銅製の鏡「銅鏡」なんです。直径20cmほど、しかも3枚。さらに作業を進めると長さ14cmの漆塗りの櫛など、櫛9点も見つかりました。 (奈良市埋蔵文化財調査センター 鐘方正樹所長) 「棺内の副葬品を見る限り、鉄製の武器・武具といったようなものは一切入っておりませんので、女性的な感じがします」
鐘方所長によると2023年度の調査で出土した「盾形銅鏡」や「蛇行剣」は、古墳の頂上に葬られていた男性のもの。今回発掘された古墳の中腹にある棺の中の鏡や櫛は女性のものと考えれば、この棺に葬られていたのは、男性の姉や妹の可能性があるということです。
古代・邪馬台国では卑弥呼が“巫女”として神の声を聴き、その弟が政治・軍事的なリーダーとして民を治めたと言われています。「富雄丸山古墳」の棺に眠っているのは、卑弥呼のように銅鏡を通じて神と繋がる“巫女”だったのでしょうか?一方、古代の棺の専門家からはこんな意見も。
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