【独自解説】「国宝級の大発見」富雄丸山古墳 埋葬されていたのは一体誰?手つかずの棺から更なる発見! 「将来の夢は考古学者」発掘現場の学生の一人に密着
(奈良県立橿原考古学研究所・学芸アドバイザー 岡林孝作さん) 「典型的な揃った副葬品の組み合わせのなかで、女性的であるか男性的であるかという判断ができると思うんですけれども、今回は、基礎になる副葬品がすごく欠けているので、なかなかその判断難しいでしょうね。本当の性別は、骨がでないと分かりませんよ、そこは難しい」 今後は、棺の中の土の成分分析が始まり、誰が埋葬されていたのか、科学的な調査が実施されます。また、棺に使われていた木の年輪を調べることができれば、より正確に、棺が作られた時期を推定できます。 (竹村さん) 「ある人は女性的なものを考える人もいるでしょうし、そうじゃないという風に言う人もいるでしょうから、それはまだ確定はできないんですけれども、そういったいろんな仮説が生まれて、今後議論されていくのが楽しみですね」
「蛇行剣」の保存作業が終了… 日本初の発見、刀と剣の”ハイブリッド”
3月末、「蛇行剣」の保存作業が終わり、報道陣に初公開されました。 保存作業や調査を実施した橿原考古学研究所によりますと、把の頭は刀特有の楔形をしていて、この形としては国内最古の例ということです。また、把の縁には「把縁突起」と呼ばれる突起が見つかりましたが、これは剣ならではの特徴ということで、この「蛇行剣」が刀と剣の特徴を併せ持つ「ハイブリッド型」だということが明らかになりました。 古墳時代の刀剣に詳しい奈良大学・豊島直博教授 「富雄丸山の蛇行剣は(刀と剣の)両方の要素をもっている。剣と刀に分かれていくターニングポイントとして蛇行剣を評価できるのでは」 また、復元した鞘は約248cmもの長さ。剣の先端には鞘が直接地面に触れないように「石突」という突起が付けられていますが、こうした石突の形は類例がなく、また古墳時代の剣に 石突が付いていたのも初めてということです。 剣は把や鞘をあわせると、全長285cmにもなり、改めて巨大さが際立つ結果となりました。 「蛇行剣」は今月30日から来月7日まで橿原考古学研究所付属博物館で初めて一般公開されます。 この「蛇行剣」や「盾形銅鏡」は、いったい誰のために墓に置かれたのか。「富雄丸山古墳」には、まだまだ多くの謎が眠っています。 橿原考古学研究所 蛇行剣の特別公開(2024年3月30日~4月7日) 詳しくは「奈良県立橿原考古学研究所附属博物館」のwebページをご覧ください。 (「かんさい情報ネットten.」2024年3月15日放送)
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