FDAの退役4号機、小牧“最後の勇姿”にファン50人 競売一番人気は窓枠
フジドリームエアラインズ(FDA/JH)は11月2日、今年3月に退役した緑色の4号機(エンブラエル170〈E170〉型機、旧登録記号JA04FJ)の部品を見学するイベントを、拠点の県営名古屋空港(小牧)で開催した。同社の「FDAメンバーズ」会員向けのイベントで、取り下ろした一部パーツも数量限定で販売。同機の大型部品は長野県への寄贈が決まっており、近日中に小牧を離れることから、参加した会員50人が拠点での“最後の勇姿”を目に焼き付けた。 【写真】FDAの会員向けファンイベントで販売した緑色4号機の胴体窓枠 ◆寄贈する頭部・翼端を見学 イベントでは、長野県に寄贈する機体前部の頭部パーツと、翼端のウイングレットを公開。県はFDAが就航する松本空港を管理しており、県では同パーツを展示用としての活用を計画する。近日中に松本へ運び、2025年2月ごろの展示公開を予定しているという。 パーツ販売は胴体窓枠や垂直尾翼のアクセスパネル、天井裏の電気系統と電気系統を接続するケーブル「客室内コネクター」など22種類を用意。ドアの盤面を切って製作した「ギアドアキーホルダー」と、大小の客室内コネクターの計3種類は定価販売し、残りの19品目はオークション(競売)で提供した。 オークションで最も人気を集めたのは窓枠で、20万円で落札された。 イベントは当初40人を招待する予定だったが、応募者が139人と予定人数を大幅に上回ったことから招待枠を拡大。50人が参加し、応募倍率は約2.8倍だった。参加者のうち最年少は12歳だった。 ◆JAL破綻で急きょ調達 4号機にあたるE170(1クラス76席)は2006年に製造。FDAは2010年に、米リパブリック航空(現リパブリック・エアウェイズ、RPA/YX)から中古機として購入した。2010年1月に経営破綻した日本航空(JAL/JL、9201)が松本空港から撤退し、FDAが松本路線を引き継ぐことになったことから、急きょ調達したのが4号機だった。 同社で運航を開始した2010年10月17日から、最終日の今年3月9日までの13年4カ月で、飛行時間3万848時間、飛行回数は2万7557フライトサイクルとなった。4号機の機齢は約18年で、通常であれば最初に導入した機体から順次退役となるが、2009年2月受領の初号機(E170、JA01FJ)よりも古い4号機がFDA初の退役機となった。 国土交通省航空局(JCAB)の航空機登録によると、5月1日に機体解体のため、同月7日付で登録を抹消した。
Yusuke KOHASE