なぜパンダはこんなにかわいいの? パンダに関する疑問を解決
Q:なぜジャイアントパンダは生まれて何年かすると中国に帰るのでしょうか?
A:1973年、絶滅の恐れがある野生生物の種の国際取引を規制する目的で世界80カ国の間でワシントン条約が採択され、日本は1980年にこの条約に批准(同意)した。 その条約が適用される野生生物のなかにジャイアントパンダも入っており、中国から連れてこられた日本のジャイアントパンダも、あくまで所有権は中国にある。つまり決められた年数が経過すると中国に返さなければならない。日本で生まれた仔パンダも中国に所有権がある。 日本が中国からジャイアントパンダを借りて動物園などで飼育しているときは、中国の関係者と共同で飼育や繁殖に関する研究も行われており、そこで得られた成果は中国でのジャイアントパンダの保護、生息地の保全などにも役立てられている。
Q:なぜジャイアントパンダの動向がここまで注目されるのですか?
A:最も大きな理由は、なんといってもジャイアントパンダが、その顔や座って竹を食べるしぐさなどがかわいいからだろう。白と黒のコントラストがはっきりした体色もインパクトがあり、また、その大きな体には存在感もあるからだろう。 そういった主要な理由に加え、1972年の日中国交正常化(日本と中華人民共和国とが国交を結んだこと)を記念して、両国の平和的友好的な関係のシンボルとして中国から日本へパンダが贈られ、日本政府がそれをマスコミなどを通して国民に広く宣伝したことも、ジャイアントパンダの動向に大きな注目が向けられる理由になっているのかもしれない。
小林朋道(公立鳥取環境大学副学長環境学部教授)